研究課題/領域番号 |
20K02770
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
川西 基博 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50551082)
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研究分担者 |
栗和田 隆 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50616951)
内ノ倉 真吾 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70512531)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 奄美群島 / 校庭 / 身近な生物 / 環境教育 / 理科教育 / 生物多様性 / 校庭の動植物 / 身近な自然 / 昆虫 / 維管束植物 / 小学校校庭 |
研究開始時の研究の概要 |
亜熱帯島嶼地域における小学校理科の「身近な自然の観察」に注目する。世界自然遺産登録予定地を含む奄美群島を対象とし、その小学校校庭でみられる動植物の生活と多様性に関する学習効果を高めることを目標とする。植物としては維管束植物、動物としては昆虫(特にコオロギ、バッタ類)について調査を行い、その分布状況と生態を明らかにし、それを理科教育、環境教育における多様性分野の授業実践をとおして、野生動植物の教材活用を検討することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は,奄美大島の小学校において,奄美の植物を主題とした授業を実施するとともに,校庭での植物観察と標本づくり講座を行った.児童生徒だけでなく,多数の保護者も参加していただいた.授業・講座を行った小学校は世界自然遺産エリア内に位置し,森林に隣接していたり校庭内に柑橘類の畑があったりするなど,自生する在来植物の種数が多かった.さらに,植栽樹木の中に奄美大島の固有種で絶滅危惧種であるアマミセイシカがあり,奄美の生物の固有性を,植物側から知ることができると考えられた.授業と講座の実践によって,校庭が自然観察の場として十分機能できることが確認でき,児童,教員,保護者の関心も得ることができた. また,校庭の植物の調査も進めた.その調査の結果をまとめ,奄美群島の小中学校の校庭でみられる植物の図鑑を作成するための情報収集,資料整理を行った.また,これまでの調査で取得した植物の写真や生態的情報は理科や生活科での活用が期待できると考えられるため,教材としての活用方法の検討,図鑑に掲載する情報の整理を進めるとともに,学生とともに学習効果の高い図鑑の内容やデザインについて検討した. 一方,奄美大島の小学校において,児童,保護者を対象とした観察会を行い,校庭の植物の多様性と標本のつくりかたについて授業を行った.この授業では,1年生から6年生までの全校児童が参加した.今後はさらに効果的な授業計画と教材について具体的な内容に踏み込んで開発してく予定である. なお,鹿児島県内の小学校教員に対して,教材としての植物の利用状況を把握するためのアンケート調査を行った.身近な植物の教材化に関する研究に関連して,鹿児島市内において,水草の分布調査を行い,観察学習用に活用できる教材としての可能性を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は小学校児童を対象とした授業と観察会を実施することができた点では,当初の目標の一部を達成することができたといえるが,教材として利用することを想定している図鑑の作成は当初のスケジュールよりやや遅れている.これまでの調査で,喜界島,奄美大島,加計呂麻島,徳之島,沖永良部島,与論島の校庭の調査を実施しており,奄美大島,加計呂麻島,徳之島,沖永良部島,与論島については春季と夏季の調査データを取得することができている.奄美大島については研究紀要で成果を公表することができ,また,校庭での植物調査の結果の全容を,鹿児島大学島嶼教育研究センターでのシンポジウムなどで一般の方むけに発表する機会を得ることができた.これらの点ではおおむね本年度の目標を達成することができたと考えられる. また,本年度は奄美大島の小学校での授業と植物観察会を行うことができ,おおむね好評であった.ひきつづき次年度も観察会を行うことが決定しており,季節を考慮した観察会や授業の検討を進める予定である. これまでの調査で取得した奄美の校庭でみられる植物の写真や生態的情報はほぼ網羅され,理科や生活科での活用が期待できる水準に達したと考えているが,図鑑の完成には至っていない.より具体的な授業実践を見据えて,教材としての活用方法の検討,図鑑に掲載する情報の整理をすすめす必要がある.また,動物相についての調査結果は種の同定が十分ではないので,コオロギ、バッタ類などを中心に、同定を進めて確認された種のリストと生態情報の整理を行う必要がある. 以上のように,現地での動植物調査と小学校での授業実践に関して一定の成果が得られているが,図鑑の完成までには至っておらず,進捗状況はやや遅れているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査で取得した奄美の校庭でみられる植物の写真や生態的情報はほぼ網羅され,理科や生活科での活用が期待できる水準に達したと考えているので,より具体的な授業実践を見据えて,教材としての活用方法の検討,図鑑に掲載する情報の整理をすすめる. 図鑑に含める情報としては,観察された動植物について1)肉眼で観察しやすい、2)典型的な生活様式がわかる、3)特異な生活様式がある、4)地域性や環境の指標性が高い、5)保全上重要である。などを踏まえ,実際の観察に有益な情報を選定する.また,観察会の機会などをとおして,現地の方に奄美の植物について聞き取り調査を行い,奄美での地方名や利用法,遊びなどについての情報収集も行いたい.これらの情報を現地調査で撮りためた写真に付記した図鑑を作成し,奄美の小学校に配布する予定である. 動物相についての調査は調査校数が比較的すくなく,その結果については,種の同定が十分ではない部分があるので,コオロギ、バッタ類などを中心に正確な同定を進める予定である.確認された種のリストと写真を整理し,各種の生態や飼育方法などに関する情報を収集し,教材としての有用性について検討するための基礎資料の整備を進める. また,校庭の動植物を教材とした授業については,奄美大島の小学校と授業実践について,ひきつづき次年度も連携体制をとることができ,授業実践の見通しができた.校庭調査の結果を踏まえて効果的な植物種,動物種を選定し,季節性と関連付けるなどより具体的な授業計画を構築する.なお,この学校は世界自然遺産エリア内に位置することから,生物多様性保全についても視野にいれた授業の展開を検討していく予定である.
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