研究課題/領域番号 |
20K02784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐々木 宰 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40261375)
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研究分担者 |
福田 隆眞 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アジア / 美術教育 / 創造性 / カリキュラム / 社会的創造性 / シンガポール / マレーシア / インドネシア / 実質化 / 創造性開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、21世紀の教育において求められる「創造性とイノベーション」「新しい価値を創造する力」の育成が、アジアの美術教育においてどのように実施され、学習者の資質として内実化しているかを調査し、明らかにするものである。 シンガポール、マレーシア、インドネシア、台湾等の教員養成大学等を訪問し、美術を通した創造性開発の教育内容を収集しながら、学習者自身が獲得した創造性をどのように認識しているかを調査する。 創造性開発の教育効果の具体的な現われ方を、社会・経済・文化的背景との相関で考察し、アジアの美術教育における特徴的な機能として創造性開発の位置づけを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,シンガポール,マレーシア,インドネシア,台湾等のアジア諸国及び地域の美術教育において「創造性とイノベーション」「新しい価値を創 造する力」の育成のための教育内容と実施状況,さらに創造性や新しい価値の内実がどのようなものかを明らかにし,これを社会文化的背景を踏まえて分析する こ とを通して,アジアの美術教育の特徴的な機能として創造性開発を位置づけることである。 令和5年度は,新型コロナウイルス感染症のためにできなかった現地調査を要約実施できた。シンガポールでは,南洋理工大学附属国立教育学院の美術教育担当者,1990年代の教育省カリキュラム開発研究所の美術教育担当者に面談して同国の美術教育における創造性育成の経過を把握した。マレーシアではペナンの幼児教育における創造性育成の調査,美術作家への面談を通して,美術や美術文化と創造性の解釈の仕方を確認できた。 シンガポール,マレーシア等の美術教育カリキュラムやカリキュラム改革,社会的背景の分析を,各種文献,資料をもとに行った。特に,シンガポールでは,芸術文化振興政策である第2期「私たちのシンガポール芸術計画」の動向を捉え,各種の芸術文化施策,教育政策,美術カリキュラムとの関係を分析した。さらに,創造性育成と芸術文化との関係について,近年Glaveanuが提唱する社会的創造性(Societal Creativity) , 松田らが提唱する集合的創造性の概念に着目し,個人を超えた集団や社会に備わる属性として創造性を捉えることで,民族的・国民的な文化創造やアイデンティティ形成に寄与する美術教育の機能を導くことができた。これらの研究成果をもとに,「多民族・多文化国家シンガポールにおける美術教育カリキュラムの史的展開と機能に関する研究」(兵庫教育大学大学院連合学校教育研究科学位論文)を提出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度からの新型コロナウイルス感染症の影響によって,予定していた調査対象国での実地調査を令和4年度末まで実施できなかったことで,研究が遅延した。令和5年度はようやくシンガポール,マレーシアでの調査を行うことができたが,まだ十分ではない。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,これまで実施できていなかった調査を行い,美術教育を通した創造性がどのように認識されているかを把握する。特に,芸術文化振興政策を積極的に推し進めているシンガポールの事例,小学校,中学校における創造性の捉え方を確認する。
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