研究課題/領域番号 |
20K02790
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
林 牧子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20341919)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 保育者の専門性 / 子ども理解 / フィンガーペインティング / 教育研修プログラム / 実感を伴う理解 / 子どもの心情の理解 / 実感的理解 / 保育観 / 教育・研修プログラム / 保育者養成 / 保育の質の向上 / 教育プログラム / 子どもの心情 / 造形技法 |
研究開始時の研究の概要 |
保育者の専門性として、子どもの心情を理解する力と、自身の保育を省察する力が不可欠であるが、それらを学習するための具体的な方法が確立されていないという問題がある。しかし、保育者養成期からその基本を培うことが可能であれば、保育者の専門性の向上が期待される。そこで本研究では、子どもの心情と自身の保育観に対する気付きを促す「造形的イメージワーク」という造形技法を用い、本ワークの体験に伴い生じた、保育者志望学生における保育者の専門性に対する気付きの内容を分類した上で、本ワークの具体的な機能を検証する。さらに、保育者志望学生における本ワークの体験の意義と、保育者養成教育に資する有用性を示す。
|
研究成果の概要 |
筆者の考案した造形的イメージワークは、子どもの心情が体感され、様々な心情に対する実感を伴った理解を促進させる機能を有することが示唆された。その機能は保育者志望学生においても保育者においても認められた。しかし、保育者は、保育経験と本ワークで体感した心情を照合し、子どもの心情に対する理解をより深化させていることも明らかになった。 また、本ワークの構成要素の一つである集団フィンガーペインティングを、幼児を対象に実施した。活動過程を詳細に分析することで、活動に際する幼児の複雑な心情の変容過程が明らかにされた。また、その変容には保育者の直接的および間接的な関与が大きな影響を及ぼしていることも示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
保育者において子どもの心情を理解する力の促進は専門性向上の観点から喫緊の課題とされているが、そのための学習方法は確立しているとは言えない。さらに、保育業務の多忙さにより、学習時間の確保も困難を極めている現状を踏まえると、子どもの心情理解に対する学びを体系化し、実践可能なプログラムとして展開する必要がある。本研究では、筆者が考案した造形的イメージワークを保育者に実施し、ワークの体験に伴う子どもの心情理解の促進と深化の過程を詳細に分析した。その結果、子どもの心情に対する新たな気付きや意識化の促進が認められた。本研究の成果は、保育者の専門性の一つである子どもの心情理解能力の育成に資すると期待される。
|