研究課題/領域番号 |
20K02793
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小川 容子 岡山大学, 教育学域, 教授 (20283963)
|
研究分担者 |
古山 典子 福山市立大学, 教育学部, 教授 (10454852)
井本 美穂 岡山理科大学, 教育学部, 准教授 (40780705)
早川 倫子 岡山大学, 教育学域, 准教授 (60390241)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 指導助言 / 視線解析 / 達人教師 / 音楽指導 / 学校教育 / 器楽活動 / 音楽の達人教師 / アイトラッカー / 視線計測 / マイスターモデル / 指導言 / 音楽マイスターモデル / 大学間連携 / 音楽指導者 |
研究開始時の研究の概要 |
音楽指導で達人教師が用いている「優れたワザ」は,「指導者の勘」や「芸」と称されており,さまざまな実践活動でその具体が伝承されているものの,背景となる理論はほとんど明らかにされていない。なぜ,達人たちの支援や助言が有効に機能するのか。達人たちは「いつ」「どのような場面」で,「何」に対して,「どのような」方略を用いているのか。本研究ではこれらの問いに答えるため,達人のワザを理論的根拠をもって明らかにし,「マイスターモデル」として体系化する。あわせて,大学間連携の共有データベースとしての構築を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では音楽の達人教師が保有するPCK(Pedagogical Content Knowledge)を整理し、その中の「効果的に説明する匠のワザ」を「教科に関連する専門的知識」と「即座に反応する応答力」に分けて、それぞれの具体を明らかにした。「即座に反応する応答力」は質の高い音楽の追求にとって欠かせないものであり、多くの達人教師たちが授業中に、生徒の音楽活動に応じてさまざまなワザを使っていることを明らかにした。 さらにアイトラッカーによる視線解析によって、達人教師の多くが、優れた演奏よりも技術的に未熟な演奏に対して注視し、楽器の操作や顔の表情に注目していることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音楽の達人教師たちが実際の指導場面で用いている用語を分析した結果,「正しい/間違い」「上手/下手」という直接的な評価語よりも,「良い(演奏)」「感じる」「もう少し(息の量)」のように抽象的な単語が多く使われていることが明らかになった。さらに,顔の表情や視線(注視,軌跡)を伴うことで,こうした言葉が一人ひとりの演奏に寄り添った形で使われており,教師と学習者の間で直観的に理解されていることも明らかになった。達人教師たちの抽象的な指導言が,表面的なニュアンス以上に,深い意味や意図をまとって伝わっていることが明らかになったことは,今後の授業観察・授業分析を展開する上で,非常に有意義なことといえる。
|