研究課題/領域番号 |
20K02798
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
塩沢 泰子 文教大学, 国際学部, 教授 (90265504)
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研究分担者 |
草薙 優加 鶴見大学, 文学部, 教授 (50350335)
齋藤 安以子 摂南大学, 国際学部, 教授 (60288967)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ドラマ手法 / ワークショップ / 英語教育 / 絵本 / 童話 / コミュニケーション / 協働力 / ファシリテーション / 地域連携 / ドラマワークショップ / オンライン / リアルタイムオンライン / 紙芝居 / 異文化理解 / ネガティブ・ケイパビリティー / 異文化共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は筆者らのこれまでの研究実績をさらに進化・深化させ、言語スキルとともに異文化理解力を高める英語ドラマWSを確立するべく手法を開発し、検証することを目指す。今回はドラマWSを大学の授業、複数大学が関係する合同研修に加え、連携する地域の教育機関や図書館等で実施する。ドラマWSにおいては留学生や海外協定校の学生、外国ルーツの人々を招き、英語だけでなく、母語や他の言語も許容し、互いにやりとりすることを重視して複言語環境を創出する。また適宜、地域の劇団やアーティストと協力し、ワークショップを鑑賞や創作活動と組み合わせて実施する。
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研究実績の概要 |
2022年7月にWarwick大学で開催された演劇教育に関する最大の国際学会であるInternational Drama Education Institute(IDIERI)に参加し、ワークショップを行った。塩沢と協力者のEucharia Donneryが対面、共同研究者の草薙と齋藤はリアルタイムオンラインで参加して80分の浦島太郎をもとにしたワークショップを実施し、世界各地からの参加者とともにこの物語に含まれる価値観や争点をドラマ手法を使って創造的に深めた。 日本人になじみの深い昔話であるが、世界各地にも同様のfolk taleがあり、参加者はそれぞれの文化のコンテクストに落とし込んで思考したり、表現することができ、この物語に基づいたワークショップは汎用性があることがわかった。特にこの物語は「いじめ」や「異文化理解」をはじめ、「孤独」、といった教育的、倫理的トピックに富み、場面も陸・海・空と広範囲で想像力をかきたてる。ドラマ手法のHot SeatingやStill Image、Conscience Alleyなどをタスクとして要所要所で入れたワークショップは参加者に好評であった。 IDIERIでは参加者とインタラクティブに行う実践的な研究、方法の発表が多く、SDGsを「自分事」として考えさせるワークショップや地域振興につながる一連のドラマイベントについての発表など印象的で、大学の授業にも取り入れられるものがあり、有益であった。 また、小学生対象の絵本や童話を使ったドラマワークショップを2回(9月と2月)企画・実演した。参加者の満足度が高かっただけでなく、タスクを考案したり、ワークショップをファシリテーションをした学生たちの学びが大きかったことが特筆される。もとにした童話・絵本は"The Little Prince"と"Brown Bear"である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の民話をもとにしたドラマワークショップを研究分担者たちと国際学会で発表したこと。また、大学と地域を結ぶ地域連携事業の一環として小学生対象の童話や絵本をもとにしたドラマワークショップを2回実施したこと。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はドラマと芸術活動を融合させ、童話や文学作品をもとにしたワークショップを実施する。候補作品としては、サンテグジュペリの"The Little Prince",漱石の「夢十夜」である。アートを融合することにより、心技体の統合に加え、創造性や想像力を刺激し、様々な学習スタイルの学生や受講生に訴求することが期待される。作品そのものの理解も深まり、応用や発展も期待される。 研究のもう一つの方向性としては、ファシリテーションをすることによる学び・成長の可能性についてデータを収集して分析することである。筆者らのこれまでの実践で、ドラマワークショップへの参加でコミュニケーション力や協調性などがつくことが参加者らのアンケート結果より判明したが、それに加えて、ファシリテーションをすることによる気づきや学びが大きいことが示唆されてきた。 今年度は最終年度でもあり、上記の2点に特に注力し、実践研究を進め、次の研究につなげていきたい。
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