研究課題/領域番号 |
20K02800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
松崎 史周 国士舘大学, 文学部, 准教授 (20634380)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 文法指導 / 作文・推敲 / 中学校国語科 / 文法的不具合 / 機能表現 / 中学生の作文 / 作文コーパス / 昭和戦前期 / 読方教育における文法の扱い / 綴方教育における文法の扱い / 機能的文法指導 / 出現状況 / 文法の知識・技能 / 指導法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、既存の作文コーパスを利用して、中学生の作文に見られる文法的不具合と機能表現を調査し、学習者の基礎的文章表現力の育成を図る文法指導法を開発するものである。研究は、(1) 作文コーパスを用いた文法的不具合の調査・分析、(2) 作文コーパスを用いた機能表現の調査・分析、(3) 作文の記述・推敲につながる文法の知識・技能の措定、(4) 作文の記述・推敲につながる文法指導法の開発 の手順で行う。本研究によって、作文・推敲につながる文法指導のモデルが構築されるとともに、中学校における基礎的な作文能力の育成を図る文法指導のカリキュラムを定位することが可能となる。
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研究実績の概要 |
本年度(2022年度)は、文法指導における機能的な指導(機能文法)の調査・分析を行うとともに、中学校国語教師向けの文法指導入門書の作成を行った。 機能文法については、昭和10年代の語法・文法教授に関する論考を調査し、日本精神主義国語教育論における語法・文法への着目、語法・文法教授に関する議論に見られる機能文法志向を明らかにするとともに、戦後の文法指導に関して石田佐久馬の論考を調査し、作文・読解と関連付けた石田の文法指導論を明らかにした。 中学校国語教師向けの文法指導入門書については、これまでの研究成果に本研究での成果を加える形で作成を行った。文法指導を難しくする要因の分析、指導のための基礎知識、生徒の文法力の分析、学習指導の提案を行い、実際の学習指導、さらには、文法指導の改善を図る際の参考になるものとした。また、言語感覚と文法指導との関わりについても検討を行い、その成果も反映させている。 研究成果の発表として、学会発表2件を行った。石田佐久馬の文法指導論、言語感覚と文法指導との関わりについては、全国大学国語教育学会にて口頭発表を行った。また、中学校国語教師向けの文法指導入門書は年度内に原稿作成を完了させており、2023年度初頭に公刊されることが決定している。 本研究における本年度(2022年度)の研究計画は、説連鎖の不具合の分析、文法指導論の開発である。節連鎖に関わる機能表現の調査・分析が完了していないため、その成果を反映することはできなかったが、現場教員向けの教育書の作成を行えており、十分な成果と評価できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現場教師向けの教育書の作成が行えたため、本研究の研究課題はおおむね達成できたものの、過年度の計画の未実施分が残っている。研究資料(作文コーパス)は用意できており、データの整形、整理も業者に委託を済ませている。整形・整理されたデータを受け取り次第、節連鎖に関わる文中機能表現および判断・評価に関する文末機能表現の調査・分析を行って、研究計画を完了させていきたい。また、本研究成果を踏まえた作文の記述・推敲につながる文法・文章指導法についてもまとめていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の調査・分析の対象は中学生の作文であるが、ここまでに文法的不具合については主述の不具合、修飾の不具合(理由述べの不具合を含む)の調査・分析を終え、機能表現については、条件表現の調査・分析を終えている。作業に熟達してきているため、研究計画の未実施分についても期間内に実施できるものと考えている。
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