研究課題/領域番号 |
20K02824
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
福本 謹一 兵庫教育大学, その他部局, 名誉教授 (80165315)
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研究分担者 |
福田 隆眞 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)
村上 裕介 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10229974)
佐藤 真帆 千葉大学, 教育学部, 准教授 (30710298)
淺海 真弓 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (50533428)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヴィジュアル・リテラシー / コンピテンシー / STEAM教育 / 美術教育 / 伝統文化教育 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
STEAM教育は,その起点となる理数系を中心としたSTEM教育の基盤としながら,認知的側面と美術やリベラルアーツのもつ感情的側面を統合する営みであり,知の創造力を育むものである。しかし,その教育課程についての理論的裏付けは不明確なため,美術教育を中核として視覚情報を読み解くヴィジュアル・リテラシーの理論的枠組みを援用しながら,STEAM教育の動向把握と課題整理を行い,育成すべき資質・能力を明確化しながら,STEAM教育における有効性を見出すこと,さらに美術教育におけるヴィジュアル・リテラシー育成と文化アイデンティティー形成の観点から,多様なSTEAM教材のモデル化と実践検証を行うものである。
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研究実績の概要 |
2022年度に実施した研究の成果については、まずVisual Literacy研究に関する予備的考察を進めており、CEFR-VL(ヴィジュアル・リテラシー・ヨーロッパ共通参照枠)の目的と美術教育モデルに関して、共通参照枠の課題、共通参照枠の今後の可能性、映像メディアの変遷、我が国におけるヴィジュアル・リテラシー概念の導入の経緯、我が国の美術教育におけるヴィジュアル・リテラシーについて検討した。 次にCEFR-VLがVisual Competencyとして新たに設定されたことを踏まえて、21世紀の教育改革の動向とコンピテンシーの動向を考察し、コンピテンシーの定義の変遷、諸外国における資質・能力に関わる動向、我が国の資質・能力に基づく教育課程、美術教育における資質・能力の扱いとコンピテンシーの関係性を検討した。 このヴィジュアル・コンピテンシーの育成にあたり近年注目されているSTEAM教育の可能性については、2021年度に検討したSTEAM教育が注目される背景、STEM教育とSTEAM教育、 “A”の包含する範囲と意味、海外のSTEAM教育、STEAM教育の実践事例、教員養成段階におけるSTEAM教育の方向性などの研究をベースに実践可能性について兵庫教育大学におけるSTEAM教育の授業(教養ゼミ)に参画し、試行実践も行った。 その後、STEAM教育の課題として教員養成段階の困難性、社会的課題との接続性、カリキュラム開発上の問題、学習評価との親和性、AI等の情報技術との関連付け、既存のカリキュラム上の位置づけ等について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個人レベルの研究については、それぞれにおいて研究を進めているものの、コロナ禍の影響のため十分共同研究を実施することが困難であった。特に海外研究協力者との連携が先方の状況とも相まってうまく機能せず、協力体制の構築が困難であった。 特にSTEAM教育関連の状況把握について、海外研究協力者の複数国においてはSTEM教育の広がりはあるものの、STEAM教育の進展が遅れていることもあり、十分実施状況の把握に至っていないことなどが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、研究最終年度になるため、研究代表者、分担者ともに個人研究を総括すると同時に海外研究者との共同討議を2023年秋にオランダ・アムステルダムまたはチェコ・プラハでの実施に向けて調整中であり、それに向けて準備を行っている。研究の主要な目的である、「コンピテンシーベーストの教育」、「ヴィジュアル・コンピテンシー美術教育」、「映像メディアとヴィジュアル・リテラシー」、「STEAM教育の課題と可能性」、「伝統文化教育教材のモデル化」の5項目については、海外での共同討議後、出版物の一部として成果発表予定である。これらのうち、特にSTEAM教育教材の開発に関連する伝統文化関連教材のモデル化が当初の研究目的の柱となっており、このモデル化についての検討を2023年度前半にまとめることが最重要課題となっている。
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