研究課題/領域番号 |
20K02852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
茅野 公穗 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20400658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 中学校数学 / 数学的探究 / 開発原理 / 評価 / 教材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,数学的探究において結果や過程を子ども自らが評価・改善することができるようになることを促す教材(群)を開発する。本研究は,真正な数学的探究を授業においてよりよく実現する一端を担うものである。そこで,研究者と熟練教師のチームにより教材開発におけるPDCAサイクルを複数回実施し,教材の改訂による効果を解明する。
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研究実績の概要 |
本年度は,数学的探究における行為主体による評価・改善を促進するための教材開発に関して,以下の成果を得た。 ●教材(暫定版)を用いた授業データの分析 領域「数と式」の中学校第3学年の教材として,生徒が推測したことを日常語で表現した後に,数学的に定式化し,数学的な処理を経て,数学的な処理の結果を文脈に即して解釈するという探究を自覚的に進めることをねらいとする授業を実施した。データ分析から,最初の数と周期という変数が2つ必要であると議論が進展したこと,また,これら2つの変数との関係で他の事柄が表すことができるのかという考察が進展したことを確認することができた。加えて,文字式を計算し,その数学的な処理の結果を,文字に具体的な数を代入して具体的な場面との整合性を確かめることを含めて文脈に即して解釈することで当初の日常語で表された推測を証明することができたと認識していることを確認することができた。これらは,問題解決の状況「状況を厳密な表現を用いずに表し,証明を含め問題解決を基に状況を明確にしたり,新たな状況を生み出したりすることができる余地がある課題を用いること」(教材開発の原理(暫定版)(1))あるいは「探究する動機・目的に照らして素朴な証明や解決方法を評価・改善する機会を初期から設定すること」(同原理(4))に基づいた学習を繰り返すことで,探究の方法を自覚し,自らの学びを調整していることを示すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
授業の実施に一部コロナ禍の制約を受けたため,より的確なデータを得るために,教材開発原理(暫定版)に基づいた教材(暫定版)を用いた授業の実施ならびにデータの質的な分析を期間を延長して行うことにした。
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今後の研究の推進方策 |
教材開発原理(改訂版)に基づき教材(改訂版)開発を進める。また,開発した教材(改訂版)を用いた授業を新型コロナウイルス感染症の感染状況に鑑みつつ実施し,ビデオ記録や記述物の複写等のデータ収集及びデータの質的な分析を通して,改訂による促進性,阻害性を解明する。教材(改訂版)を用いた授業がコロナ禍によって実施できないときには,意図した活動をよりよく実現するために,本研究目的以外で得ているデータとの照合によって教材(改訂版)を吟味し,改善点を特定する。
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