研究課題/領域番号 |
20K02857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
原 祐一 岡山大学, 教育学域, 准教授 (80550269)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 体育授業 / コンピテンシー / エビデンス / スポーツ共創 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、豊かなスポーツライフ実践者が有するコンピテンシーを明らかにした上で、授業研究を通して小学校体育科で育成する際に、エビデンスに基づく教育であるEBEの視点から実践的有用性を検証する事である。このEBEの活用については、森・江澤(2019)らが精力的に学校現場で取り組んでいるところであるが、体育授業においてはまだ取り組まれていない。そこで、本研究ではすでに精力的に取り組まれているEPPI-centreやWWCのデータベースを中心に国内外の研究データを集約し、体育授業に活用可能なデータベースを作成する。さらに、このエビデンスの活用方法を実証的に研究し、その成果と課題を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、豊かなスポーツライフを実現するために必要なコンピテンシーを明らかにし、そのコンピテンシーを体育授業で高める際に活用可能なエビデンスを集約することと、エビデンス活用の方法ならびに課題を提示することであった。 まず、本年度は豊かなスポーツライフを実現するために、スポーツとは何かを改めて問い直し、これまでのプレイ論からではなくゲーム論から捉え直した。そのことによって、豊かさが多元的にひろがった多様な関わり方をしようとする他者とでも共にスポーツというゲームを行うことが可能になることを明らかにした。ゲーム論として捉えるということは、スポーツが一種のゲームの形態を有していることから、ゲームが成立する前提を整理することであった。ゲームの前提的(prelusory)目標とゲームの内部的(lusory)目標(勝利ないし成功)という2つの目標があることを区別し、ゲームを「ルールの認める手段[内部的手段]だけを使ってある特定の事態[前提的目標]を達成する試みであり、そのルールはより効率的な手段を禁じ、非効率的な手段を推す[構成的ルール]と、そしてそうしたルールを受け入れる[ゲーム内部的態度]」が必要であることが示された。このことによって、体育授業に介入する際のプログラム開発に着手することができた。 また、その際に他者との関係性について整理し、具体的な授業実践へと展開した。具体的な授業実践を質的に検討し、どのようなコンピテンシーが必要になるのかについて検討を進めることができた。また、このことから、EEF等に示されている活用可能なエビデンスについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年に海外での調査を計画していたが、新型コロナウィルスの影響から先送りしていたが本年度も海外での調査は叶わなかったが、オンラインで海外のエビデンスについて広く情報収集し、文献等でその内容を補うことができた。また、エビデンスに基づいたコンピテンシーを高める授業方法について検討をする予定にしていたが、この点についてはパイロット的な授業を開発することができ、分析した内容を現在投稿中である。以上のことから、おおむね順調に進んでいると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、2023年度に実証的研究に入る予定である。豊かなスポーツライフを実現するための授業論が新たに構築されたため、この授業モデルを数校で実施予定である。いくつかの実施校でアウトカムの設定と検証を行ったのちに、校内研修等で活用可能かについても検討を行う予定である。個人の教員へのアプローチと学校組織へのアプローチの両面から実証的研究を実施する。
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