研究課題/領域番号 |
20K02858
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊藤 圭子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (50184651)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 家庭科 / インクルーシブ教育 / 現職教師教育 / 家庭科授業 / 実践的指導力 |
研究開始時の研究の概要 |
家庭科授業に多様な教育的ニーズを持つ子どもが複数存在する場合、これまで教師一人で対応することは困難であった。しかし、ピア・チュータリングを適用した家庭科授業を家庭科教師が実践できれば、子どもたちの学びの保障と相互作用効果が期待できる。そこで、1)ピア・チュータリングを適用したインクルーシブな家庭科の実状を明らかにする。2)ピア・チュータリングを適用したインクルーシブな家庭科授業の実践的指導の在り方を提案する。3)2)を踏まえたインクルーシブな家庭科授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ビア・チュータリングを適用した通常学級でのインクルーシブな家庭科授業に焦点をあて、特別な教育的ニーズを要する子どものみならず、その子どもと教師を架橋する子どもの学びも保障できる実践的指導力を家庭科教師に育成するための現職教師教育プログラムを開発するため、主に次の二点を行った。第一に、ピア・チュータリングを適用したインクルーシブな家庭科授業として、布を用いた製作実習に関する内容、消費者教育に関する内容において学習指導案を立案し、現職家庭科担当教員とともに検討し授業開発を行った。また、それらの授業を実践し、子ども間でのピア・チュータリングの学習過程を観察することによって質的分析を行うとともに、学習方略の活用の観点から量的分析を行った。その結果、布を用いた製作実習の授業においてピア・チュータリングを取り入れることで、教師や 友人などから 考え方ややり方を学ぶ「外的リソース方略」を高める可能性が示唆された。また、消費者教育に関する授業においてプロジェクト型の学習を取り入れることで,「認知的方略」を高める可能性が示唆された。さらに、両授業にみられたが、付箋を活用して子どもの気づきを共有化する取り組みによって、「認知的方略」や「メタ認知的方略」を高める可能性が示唆された。第二に、第一の結果も踏まえてH県におけるリーダー的存在の家庭科教師とインクルーシブな家庭科授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラム案を検討し、修正した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外のインクルーシブな家庭科教員における現職教師教育の先進的取り組みにおける調査などがコロナ禍で実施できていなかったことが理由である。次年度は実施し、その成果を参考にして、現在試案しているインクルーシブな家庭科教員における現職教師教育プログラムを検討し、修正する。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍で実施できなかったが、インクルーシブな授業の実践的指導力を育成する現職教師教育の先進的取り組みを行っている諸外国の研究者および行政機関を選定し、インタビュー調査と現職教師への研修の参観・記録を実施する。その成果を基に、これまで試案したインクルーシブな家庭科授業を担当する家庭科教師の実践的指導力育成のための現職教師教育プログラムを再度検討し修正し、完成する。
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