研究課題/領域番号 |
20K02922
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
|
研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
板橋 夏樹 宮城学院女子大学, 教育学部, 准教授 (90733212)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 理科 / エネルギー概念 / 小学生 / 教授法 / 小学校 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、小学生のエネルギー概念の形成過程の解明と、小学生の知識や思考に合わせたエネルギー概念の教授法を開発することである。具体的には以下の3点を行う予定である。①小学校教科書に記載されたエネルギーの用語の使用の実態について調査によりエネルギーの用語の使用される文脈上の特質を明らかにする。②小学生を対象としたアンケート調査により、児童がエネルギーを人体や食物に連想させていることの要因を解明する。③国内外のエネルギー概念の教え方に関する先行研究を調査し、エネルギー概念を小学校段階で教授する際に適切な内容、順序性を踏まえて、小学生の知識や思考に即したエネルギー概念の教授法を開発する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、小学生にエネルギー概念を教授する際の適切な内容と順序性の検討を行った。まず、小学校の使用率の高い各教科の複数の出版社の教科書には、人体や食物に関する用語“エネルギー”の使用が多いことが分かった。小学生を対象とした学習漫画においても同様の傾向であった。また、英国の初等教育段階の理科教科書では、第3学年の食料に関する場面をエネルギー概念の導入の起点としていた。これは米国における先行研究の結果と同様の傾向である。以上の点から、日本の小学校理科においても、子どもの生活に身近な食物に関する学習を出発点としたエネルギー概念を導入することが適切ではないかと考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小学校の理科では、エネルギー概念を用語“エネルギー”を用いずに周辺概念から理解させるという方策をとってきたが、それ以外の教科ではこの用語を度々用いており、ねじれの現象を明らかにした。また、発電に関する実験活動での小学生の発話を分析すると、児童はこの用語を用いないか、または、誤って使用していた。また、さらに、米国だけでなく英国の初等教育段階の理科教科書では、主に食物や人体を主とした同概念の導入を図っていた。小学生段階で正しくエネルギー概念を理解させることは重要であるので、本研究で得た知見は、今後の日本の小学校での理科教育におけるエネルギー概念の導入についての議論に対し大きく貢献するものである。
|