研究課題/領域番号 |
20K02926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
鎌田 公寿 常葉大学, 教育学部, 准教授 (80708066)
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研究分担者 |
井上 亘 常葉大学, 教育学部, 教授 (00424325)
濱川 栄 常葉大学, 教育学部, 教授 (00749939)
古市 将樹 常葉大学, 教育学部, 准教授 (30557301)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 公民科 / アクティヴ・ラーニング / 地域 / 主権者教育 / 政治的リテラシー / 「権力」 / 政治的中立生 / ICTの活用 / 政治的中立性 / ICT / 政治的論争問題 / 権力批判 / 「公共」 / 「主体的・対話的で深い学び」 / 地域性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた、「主権者」育成のための地域型公民科授業を開発することである。キーワードは「地域性」である。それは①各学校における教育理念の地域性、および②教材の地域性である。本研究の追究課題は次の2つである。1つは「静岡県下における『主体的・対話的で深い学び』および『主権者』の育成に適した教材とはいかなるものか」、2つは「静岡県下における高等学校において『主体的・対話的で深い学び』および『主権者』の育成はどのように行われているのか」である。前者については主として文献調査、後者については常葉大学の3つの附属高等学校を中心的な対象とし、実地調査を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、主権者育成のための公民科授業を開発した。その核となるのが「権力」批判である。2回にわたる授業をつうじて生徒は、リニア中央新幹線の建設をめぐる問題に取り組むなかで、静岡県民が被る利害の分析から、JR東海と静岡県による政策論議の手続きの妥当性を判断する能力を獲得することができた。また、政治に対する最終的な決定権をもつ主権者としての自覚をもつこともできた。さらに、この授業を受けた生徒(卒業生)へのインタビュー調査から、生徒における、上の学習成果の意味づけを明らかにするとともに、生徒の視点から構成される主権者育成のための授業の可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いわゆる18歳選挙権以後、若者の政治参加が日本社会全体の課題として認識されつつある。社会科教育においても、主権者育成に関する研究が活発化している。そうしたなかで本研究は、主権者に求められる諸能力の育成にとどまらず、主権者意識(「国や地方の政治のあり方を最終的に決定する権利をもつ者」としての自覚)の形成までをめざす授業を開発した。具体的には、地域的課題を題材とし、知識に基づく思考を経た意思決定、そして実際の政策論議に携わった行政関係者との意見交換へと至る一連のプロセスにより主権者意識を育む授業を提案した。こうした成果は、当該研究領域、ひいては日本社会の発展に寄与するものといえる。
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