研究課題/領域番号 |
20K02941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
菊池 明日香 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(特定教員) (10867964)
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研究分担者 |
熊木 天児 愛媛大学, 医学部附属病院, 教授 (30594147)
川本 龍一 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (50542908)
二宮 大輔 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (80773853)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 医学生 / 動機づけ / 医師を志す気持ち / キャリア形成 / 医学部志願者 / 医学教育 / 動機付け / 留年 / 医学部受験 / 大学入学試験 / 医学生の地域指向性 / 地域医療 / 総合診療 / 地域実習 |
研究開始時の研究の概要 |
医学生の地域志向性、総合診療への興味を抱かせる教育方法の探索を目的とし、医学生を対象に①大学受験時の進路選択、卒後の進路選択に関するアンケート調査(進路決定因子、生育環境など背景因子などを問うもの)、②教育の手法に関するアンケート調査(従来の講義、実習、Problem based learning、メディア学習)、③医療倫理、医師患者関係、医師として働くイメージ像などを、医学生がいかに獲得しているかを検討するアンケート調査を実施する。これらの結果をもとに、大学入学時の進路決定因子の分析、地域指向性や総合診療に関連する背景因子を検討する。前述した教育法を実践し、有効な医学教育法を検討する。
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研究実績の概要 |
医学生における地域志向性、総合診療への興味を抱く背景因子の研究を実施するにあたり、まずベースラインでの入学時の動機付けの確認が必須であると考えた。 医学生の医学部志願の背景因子をについての先行研究は多数あり、周囲からの期待、社会的評価、本人の成績、純粋に医師を志す気持ちなど、様々な要素が同定されている。これらは個人によって外的要素、内的要素にもなり、また相互に影響を及ぼす。しかしこれらの背景因子はあくまでも医学部志願の動機付け因子であり、必ずしも医師を志す動機づけ因子と一致しない可能性がある。日本では医学部志願者がキャリアの未熟性を指摘される高校生であるが、入学時に志願者の動機づけが医師を明確に志すところまで成熟しているかどうか、この点に関する報告はない。よって今回我々は、医学生を対象に入学時に明確に医師を志す気持ちの有無の調査を実施しその背景因子を探った。 対象は地方国 立大 学医学部に在籍する医学生全員とし、医学実習、講義終了後に質問し調査を実施した。実習、講義に参加できなかった学生については質問紙票と同一内容の ア ンケートをオンラインで実施した。調査期間は2019年4月から2021年3月とした。解析は統計解析ソフトを用いてt検定、ロジスティック回帰分析を行った。 調査 の結果、医学生の28.8%は医師になる気持ちが明確でない状態で入学していた。その背景因子として、親の意向や同級生の進路選択に強く影響を受けていることが同定された。 上記研究結果を医学教育分野の雑誌に投稿し、査読中である。上記研究に追加し、同一の 学年をフォローアップし、入学時の動機付けの強さのスケール評価の変化を継続して観察している。追加研究の結果も将来的に報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は医学生における総合診療あるいは地域医療への志向性を評価することを目的としている。志向性の検討を実施するにあたり、まずベースラインである医 学部入学時の動機付けの状態、つまり医学部を受験する上でどのような動機づけであったか、その影響因子は何であったかを解析することは、入学後の変化を見 る上で非常に重要である。入学後の医学生の変化を動機付け別にフォローアップしていき、ベースラインごとに動機付けの変化に差が生じていくか、また総合診 療あるいは地域志向性にどのような差が生じていくかを解明することは、入学後の動機付け別の医学生への介入のヒントにつながる。データ収 集は終えたものの、論文投稿中であるが採用に至っていないため、進行状況がやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
論文の査読結果を待って適宜適切に対応していく。また加えて医学生の入学後の動機付けの変化をフォローアップしたデータの追加解析を実施し、論文化していく。
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