研究課題/領域番号 |
20K02949
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
佐渡島 紗織 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20350423)
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研究分担者 |
中島 宏治 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 講師(任期付) (00765167)
嶼田 大海 青山学院大学, アカデミックライティングセンター, 助教 (10780140)
渡 寛法 日本大学, 文理学部, 准教授 (20732960)
宇都 伸之 松本大学, 総合経営学部, 講師 (30755963)
坂本 麻裕子 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 准教授 (40648317)
千 仙永 国際基督教大学, 教養学部, 助教 (90780172)
後藤 大輔 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (90835399)
田部井 滉平 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助手 (00843947)
平松 友紀 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (60880333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 書き手の成長 / 文章指導者の成長 / 大学院生のライティング / 大学生のライティング / 文章作成における留意点 / ライティング・プロセス / 文章観 / 大学院生の文章作成 / ライティングにおける留意点 / フィードバック / 文章作成の好き嫌い / 文章作成の得手・不得手 / 体系的ライティング指導 / 大学アカデミック・ライティング / 書き手の成長尺度 / 書き手の成長要素 / 文章指導者の成長 追跡調 / 追跡調査 / アカデミック・ライティング教育 / 学術的文章作成教育 / 大学生、大学院生 |
研究開始時の研究の概要 |
アカデミック・ライティング教育の成果は、これまで特定の授業前後という期間で測定されることが多かった。しかし、その長期的な効果はどのようなものか、履修学生は授業を受けその後どのように成長していったのかを明らかにした研究は見られない。とりわけ卒業後を視野に入れた研究がない。そこで、長期的な追跡調査を行なう。 追跡調査により、大学アカデミック・ライティング教育を受けた者の成長、アカデミック・ライティング教育に携わった者の成長が、具体的にどのようなものであるかを明らかにすることができる。またそれらが現在の実践とどのように関連しているか、社会でのライティングとどのように関連するかを示すこともできる。
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研究実績の概要 |
本研究は、書き手や書き手を指導する立場にある人たちの、書き手としての成長を長期に亘り追う追跡調査である。東京都内の私立大学において、アカデミック・ライティング授業を履修した時を起点とし、大学生と大学院生を対象とした。書き手はアカデミック・ライティング授業を履修した後に、変容するか。するとするとどのように変容するか。書き手の成長には、どのような要因がどのように関係しているか。書き手が成長するとは、どのようなことか。こうした問いを、量的、質的の両面から分析する。 1年目の2020年度は、コロナ禍ですべての授業がオンラインで行われたため、その特殊性を鑑みてデータ収集の開始を延期した。 2年目の2021年度は、大学院生33人に対してアンケートとインタビュー(授業前と授業直後)を行い、分析を開始した。 3年目の2022年度は、大学生15人に対してアンケートとインタビュー(授業前と授業直後)を行った。大学院生が、同じアカデミックな文章であってもその種類に応じたプロセスを踏んで書いている様子、学位論文や投稿論文、研究計画書を執筆する際には他者からのフィードバックを自ら求めて積極的に書き直しを繰り返している様子などが捉えられた。大学院生が文章作成において留意している点も、内容の示し方、内容の価値、文の作り方、語句の使い方、引用と参考文献の示し方、全体構成と明らかになり、段落についてはほぼ言及がなかった。 4年目の2023年度は、大学院生に対して3回目のインタビューを行い、分析を開始した。大学院生の3回目のインタビューでは、すでに修士課程を卒業してアカデミック以外の文章を書いている者もいるため、異なる種類の文章を書く際にどのような意識で書いているかを調査することも可能となった。2023年度は、大学生に対する3回目のインタビューも行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目の2020年度は、コロナ禍で授業がオンラインとなり特殊な環境で学修が行われた。そのためにデータ収集開始を1年遅らせた。以降、順にデータ収集が遅れ、分析も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年2024年度は、最終年度である。残っている、大学生に対するデータ収集を終了させる。アンケートとインタビュー双方のデータ収集である。インタビュー・データからは、文章指導に就いている者がどのような成長を遂げているか、特徴があるかを明らかにする。異なる種類の文章を書く際に何を留意して書いているかも明らかにする。履修したアカデミック・ライティング授業での学修がその後に生かされているか、いるとするとどのような要素が生かされているかを分析する。大学院生、大学生の双方において、アンケート結果とインタビュー結果を突き合わせ、変容を探る。 総じて、長期間に亘って追ってきた大学生、大学院の書き手がどのように変容したか、その変容をどのように語っているかを分析し、書き手の成長とはどのようなものであるのか、明らかにしたい。 これまでに収集したデータの分析を、一冊の書籍にまとめて成果を発表する予定である。
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