研究課題/領域番号 |
20K02956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
小田部 貴子 九州産業大学, 基礎教育センター, 講師 (80567389)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キャリア形成 / セルフ・オーサーシップ / キャリア自律 / 大学生 / マインドセット / 縦断的研究 / キャリア教育 / 初期キャリア |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化,IT化,価値観の多様化などを背景に,めまぐるしく変化する社会環境の中で,生涯にわたり自ら継続的学習に取り組み,人生を切り拓いていく自律的キャリア形成が強く求められている。本研究では,職業人としての自律的キャリア形成に寄与する大学生としてのキャリア形成過程と,そこで育まれる自律的キャリア形成マインド・スキルの解明,それらが後の職業人としてのキャリア形成に及ぼす影響の解明を目的とし,研究を展開する。これらの解明にあたっては,マインド・スキルを育む,大学での学習場面条件にも焦点を当てる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,職業人としての自律的キャリア形成に寄与しうる“大学生としてのキャリア”形成過程(ACC),そこで育まれる実社会で機能するレベルのマインドセット(MCD),及び継続的学習や自分創りの方法論・スキル(MSCD)の詳細を解明することである。 大学時代に育まれるある種のマインドセットが,職業人としての自律的キャリアを支えるという仮説に基づき,本研究を進める中,従来社会人に対して用いられている「自律」に関する尺度において,①多様な要因の寄せ集めとなっており中核的な要素が不明であり,②社会人と大学生との自律行動が具体的には異なり通底するマインドセットを測定する指標として何が妥当かを検討する必要がある,という問題に取り組むこととした。 そこで,本研究では自律の鍵になる重要な一つの要因として「Self Authorship」(SA)の成長が自律行動に関与するとの仮説を立て,SA概念に焦点を当てて研究を進めた。当該年度においては,①キャリア形成の領域に関して,SAを簡便に測定する尺度の開発,②大学生のSAの現状を把握を実施した。CreamerらのCDMS-SAの日本語訳版を作成し,計612名を対象とした調査研究を実施するとともに,②そのうち10名を対象に,インタビュー調査を行った。しかし,①において,先行研究の結果が再現されず,妥当性尺度との関連から,尺度として妥当とは言えないことが分かった。さらに,②を併せて考察すると,①の尺度は②の実態を測定する上で妥当ではなく,日本人の大学生を対象にSAを測定する上では,さらなる尺度の工夫改善が必要であるという結論に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①コロナ禍を避けた調査を行いたいと考え,1年目より本調査を送らせてきたこと。②基準となる指標の尺度開発を試みたものの,指標として妥当な尺度に成らなかったこと。以上,2点により,当初の研究計画からは「やや遅れている」と判断した。ただし,申請時に見出していなかった問題点を明らかにし,予定していたよりも問題に踏み込んだ調査及び尺度開発に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
「自律」を測定する指標として「Self Authorship」(SA)に焦点を当ててきたが,現在のところ,その尺度開発及び測定の方法で躓いている。しかし「自律」をどのように捉えるかは重要な問題であり,前年度,実施してきた研究の結果及び研究者自身の経験を踏まえると,量的調査(質問紙)で捉えられる現象の妥当性は高くない。 そこで,①インタビュー調査を中心に,キャリアに関する選択の領域におけるSAの変化を解明していく。また,②量的調査は副次的なものと位置付け,既存の尺度を用いながら「自律」に関わる指標が学生時と入社時でどのように関連しているのかについて,社会人を対象とした調査研究,及び補足的インタビュー調査によって明らかにする。
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