研究課題/領域番号 |
20K02967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石川 真由美 大阪大学, グローバルイニシアティブ機構, 教授 (90379230)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大学国際化 / ブランチ・キャンパス / マレーシア / 複合社会 / マルチ・カルチュラリズム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、マレーシアの3つの国際大学の臨地調査から、従来「英語化」や「西洋化」と理解されてきた大学の国際化概念に再考を迫り、新たなアジア発の国際化モデルを提示する。さらに、大学の国際化を切り口として、中国、インド、イスラム勢力のグローバルな拡大・拡張だけでなく、複合社会である現地社会にもたらす競合にも注目する。すなわち、大学国際化を通して、経済交流、サイエンス外交、宗教と政治、グローバルなパワーの覇権争いとアジアからの再編等のより大きなテーマに迫る。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、既成概念を超える多様なアジア発の大学国際化モデルについて、マレーシアのインターナショナル・ユニバーシティ(国際大学)の調査から明らかにすることである。本年度はコロナによる渡航制限の緩和を受けて、ようやく本格的な臨地調査にむけて3校の国際大学において予備調査を行った。具体的には、1)中国主要研究大学初の海外分校であるる厦門大学マレーシア校(XMUM)、2)インドに本校をもつ医学系高等教育機関分校であるManipal University College Malaysia (MUCM)、3)マレーシア国際イスラム大学(IIUM)を訪問し、大学首脳に対して調査の主旨説明と協力要請を行った。さらに、3校それぞれの設立経緯や特色、現地社会における位置づけ、国際化の課題や問題意識について、直接関係者の見解を通して理解を深めた。 英国による植民地支配を経て「複合社会(plural society)」となったマレーシア現地社会は、中国、インド、イスラム高等教育機関のグローバルな進出・拡大を戦略的に受容し利用することにより、現在、東南アジアにおける新しい国際教育の拠点あるいは「ハブ」を形成しつつある。調査対象である国際大学は、複合社会の特性をむしろ生かし、それぞれ華人ネットワーク、インド発の医学とテクノロジー、イスラム教を基軸(axis)として、学生のリクルートや現地社会におけるニーズへの対応にそれぞれの強みを活かしている。このような過程で、オルタナティブな国際化が進行する状況について理解を深めることができた。 さらに、現地の共同研究機関であるマレーシア国民大学(UKM)において政府調査許可申請の手続きについての助言を得るとともに、共同研究についての打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナにより現地調査が出来ない状況が続いたが、ようやく年度の終盤になってマレーシアを訪問し、聞き取り調査を実施できた。調査対象である3大学すべてを訪問し、うち2大学では学長と直接面談し、調査への協力要請を行い快諾を得た。残り1校も訪問し、関係者との面談と聞き取りを行った。さらに、現地共同研究者との打ち合わせを行い、政府調査許可申請への助力を得て、手続きが順調に進捗している。 このように、次年度における本格的な臨地調査にむけて、必要な準備がほぼ完了した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナによる遅れはあるものの、今後は当初の計画に従って調査を進める予定である。
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