研究課題/領域番号 |
20K02970
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
李 暁燕 九州大学, 共創学部, 准教授 (70726322)
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研究分担者 |
星野 晋 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (00259649)
副島 雄児 九州大学, 基幹教育院, 教授 (10206675)
フンク カロリン 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (70271400)
三木 洋一郎 九州大学, 基幹教育院, 教授 (80262476)
柴田 美紀 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (90310961)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 協働教育 / 多文化的 / 学際的 / 知識理論 / SciTS |
研究開始時の研究の概要 |
多文化的 (Multicultural) かつ学際的 (Interdisciplinary) 協働教育(以下、「MI協働教育」)が注目されているが、その教育方法は教員の経験知に負うところが大きく、教育方法の基盤となる理論は存在しない。 本研究は、学際的協働研究のチームサイエンスの科学と多文化的協働教育の知識共創ASCIモデルを踏まえて、九州大学、山口大学、広島大学における事例研究を行い、分析枠組と評価指標を抽出し、アクション・リサーチによって分析する。 これによって、大学のMI協働教育に共通する問題点を把握し、それらを共有して解決案を模索することでMI協働教育の教育方法に関する理論構築を目指す。
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研究実績の概要 |
学際教育に関する2021年度までの研究成果を踏まえ、2022年度においては高等教育の現場において学際的な教育理念を掲げ、具体的なカリキュラム編成、教育手法の導入などによって学際教育と学際的人材の育成の推進を目指している広島大学、山口大学、九州大学における教育実態の調査を行うことを主眼とした。 具体的には、各大学の当該学部等の教育現場で授業等を担当している教員の意識や実践例、体験的実例等の収集を行うこと、ならびに、教育組織の管理者として立場からの見解を探るために学部長等を含めた調査を行うこととし、インタビュー調査によって、学際教育の実施状況とその成果ならびに課題等について聴取を行った。 また、学際教育に関連する共通した以下の項目を設定し、学生教育に関連する教員個々の認識状況、実践例と実践計画、課題意識などについて、統一的な分析を行い、それぞれの項目についての共通点、相違点、特異点などを抽出するように設計した。 調査項目(1)教員個人レベルで行っている学際教育の現状学際性を意識した研究・教育の実施状況(2)学部(学科)レベルで行なっている学際教育の現状学部(学科)で実施している学際教育の例、学際教育の必要性及び学際教育の特徴(3)学際教育の課題所属組織(学部・学科など)の特徴、学際教育の課題と思われる要素、異分野の研究者と学際的な研究・教育を行うために必要な要素 以上のインタビュー調査を踏まえ、2023年3月29日・30日に広島大学、山口大学、九州大学合同研究会-「多文化的・学際的な協働教育の教育方法論の構築-知識理論とSciTSを土台として-」を開催し、各大学における調査結果の相互報告および比較検討、ならびに分析を行い、今後必要となる研究の方向性に関する議論と、ここまでの成果に関する論文執筆の計画について検討を行い、次年度の研究計画を策定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題はやや遅れている状況である。この遅れの主な原因は、過去の3年間にわたってコロナウイルスの影響で実施すべき調査が実施できなかったことにある。そのため、2022年度に入ってから本研究プロジェクトを進めている三大学での調査やデータ収集に精一杯取り組んでいるが、やはり当初の計画に比べてやや遅れてしまっている。しかしながら、引き続き研究に取り組むことで、できる限り早く進捗を取り戻すよう努力していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度において、知識共創(協働による知識の創出)のプロセスと学習者の変容に焦点を絞って、SciTSの枠組を使って量的分析(データマイニング)および質的分析(グラウンデッド・セオリー・アプローチ)を行う。言語化が困難な暗黙知の伝達と共有に対しては、知識理論の視点から分析を行う。最適な評価指標を設定して、アクション・リサーチに反映させる。 また、山口国際総合科学部、広島大学総合科学部国際共創学科、九州大学共創学部で同等のアクション・リサーチを行う。データ分析は学習者のチーム学習における創造性や、知識共創のプロセスに焦点を当て、多文化的協働教育の理論モデルであるASCIモデルを利用し、検証を行う。
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