研究課題/領域番号 |
20K02974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 中央学院大学 |
研究代表者 |
田中 啓行 中央学院大学, 法学部, 講師 (40779774)
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研究分担者 |
石黒 圭 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 教授 (40313449)
大島 弥生 立命館大学, 経営学部, 教授 (90293092)
田島 ますみ 中央学院大学, 法学部, 教授 (90534488)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 初年次教育 / アカデミック・ライティング / 執筆過程 / 文章表現 / 作文教育 / 高大接続 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、大学初年次生の文章のどこに問題があるのか、また、なぜ問題が生じるのかを明らかにし、初年次教育の質の向上に貢献することを目指すものである。そのために、文章執筆の過程と文章執筆時の意識に着目する。 大学初年次生に、執筆過程を記録できるシステムで文章を書いてもらい、執筆過程を見ながら自分が書いた文章に関するインタビューに回答してもらう。収集した文章とその執筆過程、インタビューのデータを用いて、執筆という行動の過程と執筆時の意識を関連させた分析を行う。この分析によって、初年次生の文章の特徴と、その特徴が執筆時のどのような意識に起因し、どのような執筆過程を経て生じたのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2021年度は前年度に行ったデータの収集を継続した。データ収集を継続するにあたって、前年度中に調査を終えられなかった学生に加えて、2021年度に大学に入学した1年生を新たに調査協力者として募集した。調査の手順は次の通りである。 まず、大学1年生に文章執筆用のアプリケーションを使用して1200字程度の作文を書いてもらい、執筆中のパソコンのキー操作を記録する。執筆終了後、キー操作の記録を分析し、執筆中に文章の修正を行った箇所、一定時間キー操作がなかった箇所を特定する。執筆した作文、執筆中のキー操作の記録を分析した結果をもとに、執筆者にオンラインでインタビューを行う。 作文は一人あたり4本で、(1)自分が経験したことを述べるもの(経験文)、(2)自分が好きなものについて説明するもの(説明文)、(3)二つの選択肢のどちらがよいかについて意見を述べるもの(意見文)、(4)提示されたテーマに関する意見を述べるもの(意見文)の4種である。作文のテーマは4つまとめて提示するのではなく、各作文の執筆直前に伝えた。 インタビューはオンラインで、キー操作の記録のデータを画面に表示しながら行った。執筆過程に沿って、「なぜ修正したのか」「なぜ一定期間キー操作をしていないのか」を中心に質問した。インタビューは録音し、順次文字化を行った。 以上の調査で収集した作文、作文の執筆過程、インタビューについて、文章の修正の特徴と執筆時に意識している内容の観点からの分析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症により初年度に収集しきれなかったデータを年度前半に収集する予定であったが、調査協力者の文章執筆に時間がかかったことなどにより、年度後半までデータの収集を続けることとなった。そのため、新規に収集したデータの処理・分析が遅れ、作文に対する評価調査を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、収集したデータの分析を継続して進める。分析が終わった観点から成果をまとめ、順に報告していく予定である。 また、前年度に実施できなかった教員による作文の評価を行う。教員の評価と大学生の文章執筆時の意識を付き合わせることにより、大学生の文章を改善するために必要な指導内容を検討する。
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