研究課題/領域番号 |
20K02985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09050:高等教育学関連
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
池田 智子 安田女子大学, 心理学部, 教授 (90284140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 大学生 / 進路選択 / 就職活動方略 / 職業選択課題認知 / キャリア意識 / 就労動機 / 職業観 / 進路決定 / メタ認知 |
研究開始時の研究の概要 |
近年職業選択に関する研究において,職業選択過程をひとつの情報処理過程と捉える認知的アプローチが盛んに行われている。 本研究では,大学生の進路選択・決定過程に関わる情報として,「自分に関する情報」「職業に関する情報」「進路選択・決定過程における情報処理に関する情報」の3つを取り上げ,大学1~4年生を対象に,これらの情報についてのメタ認知的介入を行い,それが及ぼす効果を学年別に,進路選択自己効力感を通して検討する。 また,この効果が大学生の職業レディネス(心理的準備度)の高低によってどう異なるかを調べ,今後,大学生の進路選択・決定に対する支援プログラムを開発するための示唆を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度には、就職活動を行ったあるいは継続中の大学3,4年生を対象に、これまでの進路選択・決定過程に関わる先行研究を基に「就職活動方略尺度」(37項目)(「進路の軸確立」因子、「情報収集志向」因子、「サポート志向」因子、「粘り強さ志向」因子、「モニタリング方略 」因子、「プランニング方略」因子、「活動量志向」因子)を作成し、大学生が就職活動で採用する方略と、就職活動という課題をどう認識しているかという職業選択課題認知(下村・堀 1994)との関係について検討した(研究Ⅰ)。その結果、就職活動方略と課題認知の各因子の相関をみると、職業・就職活動を時間的・金銭的に制約 の多い課題だと見なしたり、方法や結果が曖昧な課題だと見なしている場合には、何らかの方略をもって臨みにくいことがわかった。一方、職業・就職活動を重要な課題、また、親近性の高い課題であると見なしている場合には、さまざまな方略を用いることが示された。特に 親近性の高い課題であると見なしている場合、「モニタリング方略」を用いやすいことが示された。 さらに、大学3,4年生の持つ、職業観、キャリア意識、就労動機が、就職活動方略にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにすることを目的に、質問紙調査によりデータを収集した(研究Ⅱ)。このデータについては、今後分析する予定である。 これまでの研究結果から、学生の就職支援において、職業選択・就職活動という課題に対する学生の認知を考慮する必要性が示唆され、今後の就職支援のあり方について検討する際の参考になる結果であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、研究Ⅰ~研究Ⅲで構成される予定である。これまで、研究Ⅰ・Ⅱのデータ収集が完了しており、現時点で、今後研究Ⅲのデータ収集と、研究Ⅰ~研究Ⅲの分析、結果のまとめをするのに、十分な時間が残されていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である2024年度には以下の計画で研究を進める予定である。①研究Ⅰでは、各就職活動方略について、どれくらい実際に使用したか、どれくらい効果があると思うか、これくらい負担感があるかを尋ねている。各就職活動方略の使用、効果、負担感と、職業選択課題認知との関係について分析して明らかにする予定である。②各就職活動方略に、その学生の職業観、キャリア意識、就労動機がどのような影響を及ぼしているかについて明らかにするために、研究Ⅱのデータを分析する予定である。また、研究Ⅱでは、就職活動、就職内定先の満足度も尋ねているため、そういった満足度と各就職活動方略との関係についても分析し、明らかにする予定である。③研究Ⅲでは、就職活動方略の重要性と、その学生の大学での学修に対する学習観を調査し、学生の日頃の学修に対する態度と、その学生が就職活動で重要とした、あるいは重要とする方略との関係について調査、分析する予定である。
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