研究課題/領域番号 |
20K02999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 広島修道大学 (2021-2023) 島根大学 (2020) |
研究代表者 |
樋口 和彦 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80710110)
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研究分担者 |
平田 香奈子 広島修道大学, 人文学部, 教授 (00435356)
三木 由美子 広島修道大学, 人文学部, 教授 (90726217)
藤川 志つ子 千葉敬愛短期大学, 現代子ども学科, 准教授 (50637874)
渡邉 正人 鳥取大学, 地域学部, 講師 (60907773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 生態心理学 / 学習内容の選定 / 活動の場の設定 / Behaviors Setting / 行動場面 / 能動性 / 学習環境 / 生態学的視点 / 教育・療育の風土 / 教師と子どもの価値観 / 活動設定 / 能動的 / 重度・重複障害児 / Behaviors Setting(行動場 面) / 重度・重複障害児の学習成立 / 能動的な学習を促進 / 活動の場 の設定 / 重度・重複障害児の学習 / 文化心理学 / 学習成立の条件 / 子どものもつ価値観 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、重度・重複障害児の学習成立の条件(①対人関係の成立、②能動的に取りくめる学習内容の選定、③障害の特性に配慮した活動の場の設定:樋口 2015, 2018)を活用し、重度・重複障害児の「能動的な学習を促進する学習環境の設定方法」を示すことである。重度・重複障害児の学習成立の条件のうち、②と③についての先行研究は、非常に少ない。そこで、②と③に関して、生態心理学(Ecological Psychology)分野のBarker(1986)のBehaviors Setting(行動場面)の視点から検討する。行動の分析には、樋口(2019)の「行動場面システムの評価」の区分を利用する。
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研究実績の概要 |
特別支援学校および地域療育センターにて、収集した児・児童・生徒の学習活動の観察内容とケーススタディのデータを詳細に分析した。分析には「改訂版行動セッティングのシステム構造の評価(樋口, 2024:以下、行動セッティングの評価とする)」を基に生態学的視点から活動を評価した。それと共に、分析内容を活かして行動セッティングの評価の項目の改善を行った。 データ収集は、主に朝の会の時間等子ども同士がかかわる場面設定が必要な授業を選択した。 活動場面でのリーダーシップを先生(教員及び指導員)がとることが多かった。先生には、参加している子ども一人ひとりの状態に合わせて会を進める意識が低く、子どもの能動性が活かされない状況が顕著であった。そこで、内容の検討会議を定期的に開き、議論した。その結果から、会の進め方を変更し、①子どもが先生に代わり進行役を行うこと、②歌遊びの際子どもの状態に合わせた楽器を準備する、③指導者は、子どもの活動に介入する頻度を減らす等の対応方法の変更を行った。 以上の設定変更後のデータを分析すると、児・児童・生徒の行動に次のような変容が観察された。①先生が進行している状況よりも、参加している子どもが「進行役と他の子どものやりとり」をするようになった、②進行役の子どもは、開始当初スムーズに他の子どもとかかわれない場合もあるが、回数を重ねるとコツがつかめてくる、③やりとりの際に、進行役の活動をシンプルにすると活動がスムーズになる。 本研究の主題は、「能動的に取りくめる学習内容の選定」、「障害の特性に配慮した活動の場の設定」により、能動的な学習を促進する学習環境の設定方法を示すことであった。本研究の成果を整理することで、重度・重複障害児の能動的な学習を促進する学習内容と学習環境の設定方法を検討する視座を高めることができるであろう。
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