研究課題/領域番号 |
20K03018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
司城 紀代美 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (30707823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | インクルーシブ教育 / 通常の学級 / 互恵性 / ヴィゴツキー / 授業研究 / 談話分析 / 多様性 / 教師の柔軟性 / 選択 / 柔軟性 / 学級経営 / 小学校 / 社会科 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、通常の学級において特別な支援を必要とする発達障害等の子どもとともに学ぶことによって、周囲の子どもたちに生じる学習上の影響について明らかにし、インクルーシブ教育において互恵的な学習を成立させる条件について検討することである。ヴィゴツキーは、障害がある子どもの独自の思考や問題解決方法を、新たな方法や秩序の構築につながる複雑化した過程であるととらえた。このヴィゴツキー障害学の概念に基づき、小学校の授業における子ども同士の相互作用を分析する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,通常の学級において特別な支援を必要とする子どもとともに学ぶことによって,周囲の子どもたちに生じる学習上の影響について明らかにし,インクルーシブ教育において互恵的な学習を成立させる条件について検討することであった。授業分析により,一見,「否定的」「突発的」で授業の内容と「無関係」ととらえらえる子どもの言動が互恵的な学習に影響を与えることがわかった。そこでは,使用されるツールや支援方法に焦点化するのではなく,授業の全体構造が変化するプロセスに着目することが重要である。「異なる」ことを肯定的にとらえる土台と,教師が子どもたちの学びの多様性に柔軟に対応し続けることが必要となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては,支援が必要とされる子どもたちが示す言動によって,その集団におけるそれまでの常識や前提が揺らぎ,そのことが新たな学習の契機になることが明らかになった。これは、多様な学習者で構成される集団において互恵的な学習が生じることを示すものである。本研究は,互恵的で創造的な学習を生み出すというインクルーシブ教育の役割を明らかにすることによって、インクルーシブ教育の推進に寄与するものと考えられる。 また、互恵的な学習が成立するためには,教師がその場に応じた柔軟な対応をすることが必要となることも明らかにしており,インクルーシブ教育のための教師の専門性に関する研究へとつながるものであるといえる。
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