研究課題/領域番号 |
20K03024
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 教授 (20209208)
|
研究分担者 |
加藤 義信 愛知県立大学, 教育福祉学部, 名誉教授 (00036675)
工藤 英美 日本福祉大学, 教育・心理学部, 准教授 (90803726)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 心の理論 / 自閉スペクトラム症 / メタ表象 / 多義図形課題 / 前提確認質問 / 表象理論家 / 状況理論家 / 幼児 / 誤信念課題 / 時間的因果関係 / スクリプト |
研究開始時の研究の概要 |
2020~2021年度:ASD児、TD児の前提確認質問を含めた心の理論課題を実施し、ASD児の直観的心理化の障害の特異性を明らかにする。併せて、ASD児、TD児に、多義図形課題とスクリプト変容課題を行い、ASD児における時間的因果関係の表象能力の特異性を明らかにする。 2022年度: データをまとめ、心の理論と時間的因果関係の表象能力の個人内連関を検討し、ASD児の特異性を解明することと、その論文化・発表を行う。
|
研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症児の心の理論の障害が、メタ表象能力と時間的因果関係の表象における障害によるかどうかを、誤信念課題と多義図形課題、前提確認質問課題との関連をみることで検討した。結果として、誤信念課題正答者においてのみ、多義図形課題で反転可能な者が2枚条件で有意に多いことが示され、誤信念課題に正答することが心的負荷が少ない2枚条件の場合ではあるがトップダウン処理によるメタ表象を駆動させやすくなることが示唆された。また誤信念誤答者での前提確認質問の結果、「見る-知る」関係が理解できるのに誤答するパターンが自閉スペクトラム症児で特徴的にみられたが、時間的因果関係の表象の障害との関連はみられなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉スペクトラム症児者の心の理論の障害が何と関連して生じているかについては、未解明な部分が多く、そのため心の理論を明示的・命題的なものに翻訳して教える支援が主流である。一方、心の理論には、明示的心理化(explicit mentalizing)と暗黙的(implicit mentalizing)があり、定型発達児者は両方を使い分けて心を理解するが、自閉スペクトラム症児は明示的心理化のみを用いる特異性の存在が指摘されている。この特異性の検討は自閉スペクトラム症児者の心の理論の支援にあらたな視角を提示するものであり、本研究ではメタ表象の視点からそれを検討しいくつかの示唆が得られた。
|