研究課題/領域番号 |
20K03026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
太田 有美 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00598401)
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研究分担者 |
佐藤 崇 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30756002)
今井 貴夫 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80570663)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 片側難聴 / 小児の難聴 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児聴覚スクリーニングの普及により先天性片側難聴も乳児期に発見されるようになり、早期に介入することも可能になったにも関わらず、言語獲得には問題がないため積極的に介入されていないのが日本の現状である。両側難聴に対しては補聴器装用の公的補助があり、両側高度難聴に対しては人工内耳手術が保険適応であるが、片側難聴に対しては全く社会的保障がない。片側難聴であっても心理面、社会性の発達には影響することが指摘されてはいるが、補聴介入による効果について科学的根拠はない。本研究では、先天性片側難聴児に対してCROS補聴器またはBAHAによる補聴介入の効果を評価する。
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研究実績の概要 |
片側難聴の中でも小耳症・外耳道閉鎖の症例は骨導補聴デバイスのよい適応であり、3歳児2例、9歳の児1例にADHEARを導入した。10歳、12歳の児にも試聴は行ったが、本人が希望せず、導入には至らなかった。10代になると外見を気にするようになり、周囲から好奇の目でみられることを嫌がり、装用に至らなかった。また、両耳聴の効果も感じにくいようであった。3歳児については、現在のところ装用自体を嫌がることはなく、片側難聴児に補聴介入するには早期に介入をすることが必要ではないかと考える。また、片側が中等度難聴、対側が重度難聴である児に対して、重度難聴側に人工内耳を導入して成績をみることも行っている。 小児の難聴に関する学術的な研究実績としては、今年度は学会発表として、「当院での小児難聴患者に対する難聴遺伝子検査の現状」(第18回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会)、「知的障がいをもつ人工内耳装用児の進路状況」(第68回日本聴覚医学会総会・学術講演会)、「当科にて人工内耳手術を行った内耳奇形・内耳道狭窄症例の検討」(第33回日本耳科学会総会・学術講演会)を行った。 論文発表としては、大阪府における新生児聴覚スクリーニング後の経過調査. 小児耳鼻44(1): 69-77, 2023、太田有美 小児難聴への対応 人工内耳. 日耳鼻126(2)103-110, 2023である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究推進のためには、言語聴覚士や検査技師、事務補佐員といったコメディカルの協力が不可欠であるが、その体制の変化も影響している。補聴介入するためには時間をかけて補聴デバイスの説明をする必要があり、検査や評価にも時間を要する。
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今後の研究の推進方策 |
ADHEARを導入した症例についても、装用効果や心理的影響、社会的影響の評価を行い、結果をまとめる予定である。
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