研究課題/領域番号 |
20K03030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
糸数 昌史 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00611683)
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研究分担者 |
小田部 夏子 国際医療福祉大学, その他部局等, 大学クリニック言語聴覚センター 職員 (20406242)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 関節位置覚 / 発達性ディスレクシア / 限局性学習症 / 神経発達症 / 発達障害 / 発達性読み書き障害 / 赤外線センサ |
研究開始時の研究の概要 |
読み書き障害児は音韻処理能力に問題があることが知られていたが、近年の研究から運動覚心象の影響も示唆されるようになり、関節運動に関する感覚の評価手法の確立が求められていた。 我々の先行研究では書字困難児は同年代児に比べて関節位置覚の低下がみられることがわかった。しかし、計測および解析が煩雑であり臨床応用は困難であった。そこで、本研究では小型赤外線センサを用いた非接触下の環境にて、書字動作に関与する手指関節位置感覚の計測システムの開発と、健常データと書字困難児の縦断的な手指関節位置感覚の計測、および書字困難児の手指関節位置感覚の変化と書字能力の発達との関係性を明らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究の主たる目的は、健常発達児および書字困難児の書字動作に関係する関節位置覚の発達変化を明らかにすること。および、書字困難と関節位置感覚の関係を導き出し、書字に困難さをもつ者への指導・治療方法の開発の一助とすることである。 今年度は研究協力施設において、縦断評価3年目の計測を行い、のべ38名の児童(男児27名、女児10名、平均年齢10.8歳)を対象に赤外線センサを用いた関節位置感覚の評価を行った。対象児はすべて読みまたは書きの両方に困難さをもつ限局性学習症(SLD)の症状を呈し、多くの児童が他の神経発達症(自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、発達性協調運動障害等) の特性を有していた。 研究協力施設への継続的な通院が困難な症例が多く、経時的に縦断データの収集ができた症例は8例のみであったが、関節位置覚の精度の値は明確な変化(精度の向上)は認められなかった。 また、担当言語聴覚士より見る力の特性を評価できる「WAVES」の結果を入手し、評価項目のなかから書字動作と関連が深いと考えられる下位項目(目と手の協応、視覚的注意、視知覚速度、視覚分析・応用)の評価点を抽出した。指数を用いて定型発達児との発達状況の比較を行ったところ、すべての児童で基準値である100を下回る項目が存在し、視覚機能と関節位置覚の関連が示唆された。
今後さらに詳細に解析を行い、定型発達児と比較した書字困難児の書字に関連する関節位置覚の発達変化と視覚機能との関連を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により、研究協力施設の出入りが制限され、研究協力児のリクルートおよびデータ収集が十分にできていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス蔓延により研究の遅れが生じており、当初の計画で実施予定であった定型発達児のデータ収集が十分なサンプルサイズを満たしていない。研究機関を延長し、研究協力施設と連携して引き続きデータ収集および解析を行い、学会発表および学術誌への投稿を通じて、研究成果を公表していく予定である。
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