研究課題/領域番号 |
20K03039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小島 道生 筑波大学, 人間系, 准教授 (50362827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 交流および共同学習 / 知的障害 / 自己評価 / コロナ禍 / オンライン / インクルーシブ / 知的障害児 / 交流及び共同学習 / インクルーシブ教育 / 学習効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、インクルーシブ教育場面での知的障害児の学習効果や自己評価の実態と学習効果や自己評価を高めるインクルーシブ教育の在り方について明らかにすることである。特別支援学校と特別支援学級に所属する知的障害児を対象として、これまで日本で明らかにされていないインクルーシブ教育場面、特に交流及び共同学習場面における知的障害児の学習効果や自己評価について検証し、知的障害児にとって教育効果の期待できるインクルーシブ教育の実現を目指した研究を展開する。
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研究実績の概要 |
関東地域の小学校特別支援学級1225校に対して交流及び共同学習に関するアンケート調査を実施した。アンケート調査を回収し、現在データを分析中である。小学校特別支援学級教師の知的障害児に対する交流及び共同学習の意識などについて明らかにするとともに、効果的な支援の在り方について見出していく予定である。 附属大塚特別支援学校中学部の生徒を対象とした、高校生との交流及び共同学習に関する学習効果と自己評価に関して、事例検討を実施した。1年間の継続的な取り組みにより、交流及び共同学習との活動内容と対象児にとっての学習評価、自己評価との関係について明らかになりつつある。また、対象児の知的発達水準や語彙能力などのアセスメントも実施し、それら心理検査との関係からも、交流及び共同学習場面における効果的な学習支援の在り方について、分析している。しかし、生徒を対象とした面接調査などは限定的で、十分に実施できたとは言い難い。 なお、昨年度実施した、全国の知的障害特別支援学校を対象とした交流及び共同学習に関する調査研究を分析した。調査結果からは、コロナ禍になり、交流及び共同学習は「オンラインに変更」あるいは「手紙など間接的な方法に変更した」という学校が50%程度みられ、対面での直接交流が難しい状況のなか、間接的な交流に関する実践報告はされてきていることなどが明らかになっている。こうした研究成果の一部については、日本特殊教育学会において学会発表を行うとともに、論文投稿に向けて準備を進めている。さらには、昨年度から引き続き、文献研究を行い、知的障害のある児童・生徒の自己評価の方法論的課題などについて検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度も新型コロナウイルスの影響から主にアンケート調査については実施できたものの、対面による調査が十分に実施できなかった。具体的には、アンケート調査については小学校特別支援学級を対象に大規模な調査を実施できた。また、昨年度実施した知的障害特別支援学校を対象とした調査結果についても一部まとめて、成果を発表している。しかし、教師及び生徒への面接調査については、一部の生徒に対する調査しか実施できていない。交流及び共同学習において学習効果をあげ、肯定的な自己評価を育むための実践研究に関しては一部しか検討できておらず、ガイドラインの作成については、未完成となっている。以上のことから、1年間の期間延長手続きを実施した。
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今後の研究の推進方策 |
過去3年間の取り組みにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響から教師と生徒を対象とした、交流及び共同学習において学習効果と自己評価を高める方法に関する面接調査が十分にできているとは言い難い。また、知的障害のある生徒を対象とした交流及び共同学習において学習効果と自己評価を高めるための実践研究も十分にできていないため、これらについて取り組んでいく。そして、交流及び共同学習による学習効果と自己評価について分析し、効果的な支援の在り方を明らかにしていく。また、2022年度に実施した小学校特別支援学級を対象とした調査研究については、研究成果をまとめ、学会発表及び学術論文として公表していく。一連の研究成果をまとめ、交流及び共同学習において知的障害児の学習効果をあげ、肯定的な自己評価を育むためのガイドラインの作成を行い、特別支援学校など関係機関に配布を行う。
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