研究課題/領域番号 |
20K03042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
村瀬 忍 (廣嶌忍) 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40262745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ディスレクシア / 読み上げ / タブレット / アセスメント / アプリ / 音声教材 / 音声 / 視覚提示 / 聴覚提示 / 情報活用 / 読み書き困難 / 検査 / ICT |
研究開始時の研究の概要 |
発達性ディスレクシア(以下、DD)とは読み障害のことである。文部科学省はDDへの合理的配慮として、文の音声読み上げ(以下、読み上げ)を推奨している。しかし、実際に、テストの読み上げや音声教科書などを利用している子どもは数少ない。その理由として、読み上げが有効かどうかを明確に示せるツールがないことが考えられる。本研究では、読み上げの有効性を評価するタブレット用アプリを開発する。そして、このアプリを用いることにより、読み上げによる支援が必要なDD児を発見し、DD児の抱える問題を軽減させることができることを明らかにする。
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研究実績の概要 |
文字の読みに困難さのある児童生徒が学校で音声教材による合理的配慮を受けやすくするため,音声による読み上げの効果を評価できるタブレット用アセスメントアプリ「みみより」を開発した。「みみより」は読む力と聞く力との差を明らかにすることで,文字を読むことに困難さのある児童生徒を発見することを狙いとするものであった。大学生28名,定型発達の小学生1名,発達障害のある児童生徒27名に「みみより」を実施した。正答率について,大学生と定型発達児の結果から,「みみより」は読む課題と聞く課題との間に難易度の差はないことがわかった。したがって,「みみより」の「よむ」の結果を「きく」の結果と個人内で比較してみることで,読む課題と聞く課題とに差があるような,つまり「文字は自分では読めないが読み上げてもらったらわかる」対象者を発見できると考えられた。こうしたツールによって音声活用の効果を客観的に推定できれば,合理的配慮の根拠となり配慮が受けやすくなるのではないかと考えられる。 聞いて理解することの困難さについても,「みみより」の結果から推測できると考えられる。これまで,ディスレクシア児の中でも,どのような子どもに音声教材が効果的かを検討した研究はみあたらない。しかし,音声教材は聞いて理解する教材であることを考えると,音声教材の活用には,子どものことばを聞いて理解する能力が関わっていることは間違いない。音声教材を導入するにあたって,「みみより」を使ってことばを聞いて理解する力を測定できれば,音声教材を使ってみたが効果がなかったと落胆したり,効果のない手段を無理に利用させたりすることを防止することができるのではないかと考えられた。
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