研究課題/領域番号 |
20K03049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 下関市立大学 (2023) 福岡教育大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
納富 恵子 下関市立大学, 都市みらい創造戦略機構, 委嘱研究員 (60228301)
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研究分担者 |
西山 久子 福岡教育大学, 大学院教育学研究科, 教授 (80461250)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 学びのユニバーサルデザイン / UDLガイドライン / 教員研修 / 教師の専門性 / 授業改善 / 組織的推進 / PLC / UDL / 人材育成 / 授業モデル / 実装 |
研究開始時の研究の概要 |
米国では、主体的な学びができる学習者の育成のために、CASTにより学びのユニバーサルデザイン(UDL)が提唱され、教員研修が継続され、義務教育段階の授業改善に活用されている。本研究では、日本の小学校・中学校の教員に向けた、UDLガイドラインを参照にした授業改善の研修モデルをつくり、それを実際に行い、その効果を検証する。また研修モデルの工夫としては、教員が自らの授業の振り返りができるように、UDLの基礎理論やガイドライン、活用の実践例をWEBで事前に公開し、効果的に実践につなげるような実装を行い研修マニュアルを作成する。
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研究実績の概要 |
4年目である令和5年度は、研究代表者の異動と新型コロナ感染症流行のため、海外におけるモデルとなる学校でのUDLの組織的支援体制の調査は断念し、国内の学校での授業改善を組織的に行う基盤づくりと、その成果の検証を中心に研究を推進した。 主に、1)福岡UDL実践研究会での研究活動、2)私立小学校の授業改善への組織的サポート、3)福岡教育大学教職大学院での学卒院生の授業改善の実証研究を行った。1)福岡UDL実践研究会は、年間3回開催し、第3回目は、小学校に加えて、中学校、高校の実践についても報告する実践交流会を1日をかけ実施した。これまでの実践を振り返り、新しい実践者の実践を促進する契機となった。専用HPにて、研究会の告知や、研究会やコンサルテーションによる授業改善の研究成果も紹介した。令和3年・4年度の福岡UDL実践研究会6回の参加者のフィードバックを分析し、日本LD学会でポスター発表を行った。回答者48名の充実度の評価はすべて肯定的で、研修後の自由記述の感想をテキストマイニングで分析したところ、この研修が生徒の考える力を育成するという「自律的学習者のへの促進」「教師自身の実践的取り組みでの活用」など、この研究会の成果が明らかになった。 2)令和4年より継続して年3回のコンサルテーションを行ってきた私立小学校の成果として、UDLを活用した授業改善が、学校のプロジェクトの1つとして発展し、学校が専門的な学びのコミュニティー(PLC)として機能し始め、研究協力者をプロジェクトリーダーとするチームに対しても、授業分析と振り返りをもとに助言を行い、授業参観の後に公開研究会を、プロジェクト主催で行うことができた。3)学卒進学の教職大学院院生の授業デザインに、UDLガイドラインを活用することで、授業デザインと振り返りの視点が明確になり、UDLガイドラインが、現職教員のみならず若手の教員にとっても有用であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の大学退職のため研究拠点を移し、異なる機関に研究拠点を移し開始したため。分担研究者と同じ職場で日々連絡が取れる状況から、ZOOMなどを使い協議する必要が生じたため。また、新型コロナ感染症流行のため、米国でのUDLの学校組織での推進の調査を断念し、研究の方法を変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終のまとめの段階として、以下の4点を行う。
1)福岡UDL実践研究会は1回にとどめるが、支援を継続している私立小学校でのUDLガイドラインを活用した授業改善のコンサルテーションを継続し、公開授業研究会での助言者としての報告を行い、これまでの授業改善が児童の主体的な学びにどのように影響を与えたかを、デジタル化した振り返りの分析をもとに検討し、学会発表し論文として報告する。(日本LD学会、日本教育工学学会予定) 2)若手の授業者の授業デザインにどのような効果があったかを高校生の学業達成を中心に分析し、学会発表および論文作成を進める。 3)これまでのUDLガイドラインを活用した授業実践をまとめた著書を執筆予定である。 4)UDLのガイドラインの視点から、テクノロジーやアートの果たす役割について、第71回九州学校保健学会を通じて、提案を行う。
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