研究課題/領域番号 |
20K03054
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
|
研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
大原 重洋 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (90758260)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 聴覚障害 / 無線補聴システム / 語音明瞭度 / 補聴器 / 難聴 / 雑音負荷語音明瞭度 / LTASS / マルチトーカネットワーク / 無線補聴支援システム / インクルーシブ環境 / 聴覚障害児 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、通常の小・中学校において普及の著しい無線補聴システムは、音声知覚と授業理解に関する効果や課題について不明な点が少なくない。 本研究は、教室の雑音状況が語音聴取と聴取負担に及ぼす影響を検討する。さらに、協働・双方向型の授業形態におけるコミュニケーションの課題を明らかにする。その上で、学校教育において聞こえの困難が発生する機序と、インクルーシブ環境で注目すべき無線補聴システムの要件に関する仮説モデルを構築する。 本研究により、インクルーシブ環境における無線補聴システムの使用と聴覚障害児支援の基本方針を明らかにすることが可能となる。
|
研究成果の概要 |
近年、無線補聴援助システムを用い、通常学級で学ぶ聴覚障害児が増加している。同システムは、教師が送信機を通じ、音声を聴覚補償機器に無線送信するものである。理論上は、教師と児童・生徒間の距離の影響を受けず、常に教室内の騒音よりも十分に大きな語音を聞き取ることが可能となる。しかし、国内では、同システムの評価法が確立されておらず、効果や課題について不明な点が少なくない状況にあり、臨床的な評価手法の開発が要請されている。本研究では、同システムの適応について、雑音負荷時語音聴力検査と質問紙を用いた主観的評価を組み合わせた評価手法を開発した。本研究により、通常学級での同システムの使用が前進すると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無線補聴援助システムの効果測定法について、小児療育施設、聴覚特別支援学校に設置されている視覚強化式聴力検査(VRA)装置を用いたプロトコールを開発した。雑音負荷時語音明瞭度を用いて評価し、改善効果は高い雑音負荷条件でより顕著であること、評価に際しては、同SN比条件における無線、非無線入力条件間の改善率への着目が重要であることを明らかにした。さらに、語音聴取成績に加え、児童・生徒の教室場面での主観的な聴取努力評価が有効であることを指摘し、同システムの聴取疲労軽減効果を明らかにした。本研究結果に基づき、学校教育における無線補聴システムの評価と使用の基本方針を明らかにすることが可能となる。
|