研究課題/領域番号 |
20K03059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
黒田 一寿 東京工業高等専門学校, 一般教育科, 教授 (60331998)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心理的バリアフリー / 障害の社会モデル / 発達障害 / 障害平等研修 / 平等価値 / 社会モデル |
研究開始時の研究の概要 |
日本の大学に学ぶ障害学生は全体の1%を超え,キャンパスのバリアフリー推進が望まれる。いわゆる4つのバリア(物理的・制度的・社会的・心理的)のうち,心理的バリアの解消に向けた取り組みは極々限定的で,そもそも幅広く働きかけるための有効な方法がなかった。 本研究では,障害平等研修(DET)を精査し,授業の枠組みで実施できる障害の社会モデル発見型学習プログラムを開発する。すでに車いすユーザーの事例を用いた演習は授業化に着手済みであり,今回はDETで扱われていない発達障害を事例とするプログラムを新たに開発し,実践研究を通じて有用性を検証したうえで普及をめざす。
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研究実績の概要 |
本研究では,キャンパスの心理的バリアフリー推進を目的とし,障害の社会モデルを切り口とする発達障害を問題提起教材に用いた新たな発見型学習プログラムの開発を目指している。 当初の計画では,学習プログラムを対面形式のグループワークで構成し試行する予定であったが,新型コロナウィルス感染症拡大の影響により対面形式の授業が行えない状態が続いたため,計画変更を余儀なくされた。そこで,令和3年度はオンライン形式によるグループワークを試行した。その結果,用いるツールの使い勝手や,参加者の慣れといった影響はあるものの,オンライン形式でもグループワークが成立することを確認できた。ただし,対面形式とオンライン形式それぞれのワークショップにおける成果物を分析し比較した結果,アイデア出しにおけるアイデア数や,アイデアの網羅性,特異なアイデアの出現率において,いずれも対面形式の方がオンライン形式を上回る結果となった。当然の帰結として,オンライン形式における身体性の欠如をどのように補うかが課題であった。 令和4年度は対面形式によるグループワークが実施可能な状況となり,当初計画していた発達障害を問題提起教材に用いた学習プログラムに着手した。本研究に先行して取り組んでいた障害平等研修をモデルとした学習プログラムに,参加者が発達障害における「障害」をどのように捉えるかを問うパートを付加し,実際に5クラス55グループにて実施した。現在,このワークショップにおける成果物を分析中であり,その結果を令和5年度に発表する計画である。この分析結果を踏まえ,オリジナルの発達障害をテーマとした問題提起教材を作成する。 またようやく国内外への出張が許される状況となったことから,障害平等研修に関する調査も実施し,その成果をまとめたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査に関しては,当初の計画では初年度となる令和2年度に国内外の障害平等研修(DET)の実地調査を行う予定であったが,新型コロナ感染症の拡大によって海外への渡航はおろか国内の移動も制限され,その状況は令和3年度も継続し,これらの調査を実行することができなかったが,取材機器および学習プログラムを評価するための録音・録画に必要なシステムの構築は進めることができた。令和4年度に入ってようやく事態が改善し,現在は国内外への出張が許される状況となった。本研究において重要な資料の収集が見込まれる調査であるため,令和5年度は研究計画最終年度ではあるものの,計画を柔軟に変更しながら引き続き調査を実施し,教材作成に活かしたいと考えている。 教材開発については,令和4年度は対面形式によるグループワークが実施可能な状況となり,当初計画していた発達障害を問題提起教材に用いた学習プログラムに着手することができた。本研究に先行して取り組んでいた障害平等研修をモデルとした学習プログラムに,参加者が発達障害における「障害」をどのように捉えるかを問うパートを付加し,実際に5クラス55グループにて実施した。現在,このワークショップにおける成果物を分析中であり,その結果を令和5年度に発表し,論文投稿する計画である。この分析結果を踏まえ,オリジナルの発達障害をテーマとした問題提起教材を作成する。
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今後の研究の推進方策 |
現在,令和4年度に実施した対面形式によるグループワークにおける成果物の分析を進めており,この学習プログラムの参加者が,障害の社会モデルを発見したのちに,発達障害における「障害」をどのように捉えたかを明らかにする。この結果を踏まえ,発達障害をテーマとしたオリジナルの問題提起教材を作成し,これを用いた学習プログラムを実践し,評価を行う計画である。またこのプログラムを,対面・オンライン両形式のハイブリッドでまとめられるよう進めていきたい。
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