研究課題/領域番号 |
20K03061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
牧野 泰美 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 研究企画部, 上席総括研究員 (80249945)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 吃音 / レジリエンス / 対話 / ことばの教室 / 言語障害教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、吃音のある子どものレジリエンスを高める教育実践の観点の一つである「対話」に焦点を当て、教育・臨床における「対話型」の理論・実践及びレジリエンスに関する文献研究、ことばの教室担当教師及び吃音臨床団体・当事者団体に対する質問紙調査及び面接調査、ことばの教室における実践研究を通して、吃音のある子どもとことばの教室担当教師の有効な対話の在り方、具体的な実践内容・方法及び実践プログラムを検討・開発し、教育実践の現場に提供することを目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究では、吃音のある子どものレジリエンスを高める教育実践の一つである「対話」に焦点を当て、有効な対話の実践の在り方、実践内容・方法等を検討・開発し、教育実践の現場に提供することを目指している。本年度は、昨年度までに整理したレジリエンスを高める視点、対話の進め方のポイント、対話型実践の内容・方法について、実践的検討と協議を進めた。 (1)レジリエンスを高めるための視点・・①自分の問題に関する気づきと理解、②吃音と吃音から受ける影響の区別、③家族や友人等との関係の構築、④課題への主体的な取組と環境の改善、⑤自分の欠点や弱点の捉え直しと気分の解放、⑥悩みからの解放、⑦ユーモアと表現力の養成、⑧吃音があっても充実した人生を送ることへの希望、等 (2)対話の進め方のポイント・・①子どもと教師が対等な立場で考える、②子どものことばを受けとめる、③感じるままに語れるように応答する、④結論を急がず混沌とした状態をよしとして進める、⑤子どもの認識やことばの意味の変化を感じ取る、等 (3)対話型実践の方法・・①日常生活で困る場面を語り合う、②吃音者が登場する絵本や物語をもとに語り合う、③吃音に関する第三者の悩みについて語り合う、④吃音を擬人化してその性格等を語り合う、⑤カルタや言語関係図を用いて語り合う、等 (4)意義の検証-吃音を題材に読み札を作成したカルタを用いて語り合う実践- 同じ出来事や状況についての読み札の表現の違いに、様々な考え方があることを学び、他者と自分の体験を比較し、重ね合わせることができる。教師とだけでなく、読み札を通して、自分自身との対話もできる。仲間の存在や、自分の気持ちの変化を知ることができる。気持ちを整理できる。これらはレジリエンスの向上の視点につながっている。今後、他の対話型実践の方法についても検証を重ね、成果をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、昨年度までに整理したレジリエンスを高める視点、対話の進め方のポイント、対話型実践の内容・方法について、当初予定していた、実践的検討と協議を、一定程度進めることができた。 しかし、多忙を極める実践現場の状況等により、予定していたほど検討会議が設定できなかったことから、検討を行うことができた実践例の数が十分とは言えず、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、対話型実践に関する実践例の追加収集及び整理を行い、これまでに整理した実践例も含めて実証的検討を進め、教育実践の現場に提供できる資料として成果をまとめる予定である。 実践例の追加収集や実証的検討を進めるにあたっては、これまでの研究活動において連携体制を構築してきた「ことばの教室」担当者及びその研究団体、吃音当事者団体との連絡調整、研究協力者との連絡調整を密に行うことで研究活動の推進を図る予定である。
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