研究課題/領域番号 |
20K03069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
渡邉 惠 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (40719499)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 看護基礎教育 / 看護技術 / バイタルサイン測定 / 血圧測定 / 正確な測定 / 実践能力 / 教育プログラム / バイタルサイン / 電子デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
現在、医療現場では各種バイタルサイン測定用電子デバイスが普及し、患者の健康状態の把握に用いられている。これまで「手と目」による伝統的な患者の状態把握が指導されてきた看護基礎教育の現場と臨床現場の実態との間には大きな乖離があり、バイタルサイン測定の効果的な教育方法とそのエビデンスの構築が急務となっている。本研究では、看護学生を対象とし、模擬患者に対して積極的に電子デバイスを用いた教育的介入を行うことにより、バイタルサインを正確に測定するための実践能力の向上を検証する。この成果は、伝統的教育から脱却し臨床実践を反映した技術教育の普及に役立ち、教育と臨床現場間の乖離を解消するための革新的研究となる。
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研究成果の概要 |
正確な血圧測定の実践能力習得にむけた「状況基盤型教育プログラム」を開発し、その効果をRCTで検証した。本プログラムは臨床現場の実情を踏まえ、電子デバイスを積極的に用いた。 バイタルサイン測定実践能力チェックリストでは、測定方法の説明や安楽の保持など、患者への対応力を示す4項目で介入の効果が認められる傾向にあった。状況対応能力自己評価得点は8項目で両群に教育前後の得点が有意に上昇し、中でも「患者の状況の変化にうまく対応することができる」は両群ともに5段階のうち1.1以上と最も上昇した。 本教育プログラムは、患者への対応力を高める効果の可能性が示され、看護基礎教育において効果的な教育手段となり得る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はバイタルサイン測定の中でも最も複雑な手技を要する血圧測定に焦点をあてた。本教育プログラムは正確な血圧測定に不可欠な患者への対応力を高める効果があった。なお、電子デバイスの特徴や適性のアセスメント、使用上の注意点などについて積極的に教育を行ったが、臨床現場の状況を基盤にした教育はバイタルサインの正確な測定の実践能力向上にむけた有用な方法として期待できる。看護基礎教育においては、基本的なスキルトレーニングに加え、臨床現場の状況を基盤にした教育を段階的に導入するなど、学生のレディネスに対応した継続的な技術教育カリキュラムの構築とその実現が重要であることが示唆された。
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