研究課題/領域番号 |
20K03082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 会津大学短期大学部 |
研究代表者 |
中澤 真 会津大学短期大学部, 産業情報学科, 教授 (40288014)
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研究分担者 |
梅澤 克之 湘南工科大学, 工学部, 教授 (20780282)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | プログラミング教育 / 学習履歴 / 学習分析 / 初等教育 / 教育支援システム / リアルタイム授業支援 |
研究開始時の研究の概要 |
初等教育向けプログラミング教育において,サポートスタッフが十分手配できない状況下の教員のためのリアルタイム授業支援システムを開発し,その評価を行う.Scratchのようなビジュアルプログラミング言語を用いた授業において,児童のプログラム作成過程の学習履歴をすべて記録し,この情報を学習分析することにより「学習者の進捗状況」「つまずいている学習者とつまずき箇所」「クラス全体の誤りの傾向」をリアルタイムに可視化し,これを教員側にフィードバックする機能を持つシステムである.単なる操作ログではなく,プログラムの編集履歴を複雑な構文解析なしに効率的かつ推定精度の高い授業支援システムの実現を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,初等教育向けプログラミング教育において,サポートスタッフが十分手配できない状況下の教員のためのリアルタイム授業支援システムを開発し,その評価を行うことである.具体的には,ビジュアルプログラミング言語Scratchを用いた授業において,児童のプログラム作成過程の学習履歴をすべて記録し,この情報を学習分析することにより「学習者の進捗状況」「つまずいている学習者およびつまずき箇所」「クラス全体のプログラムの誤りの傾向」をリアルタイムに可視化し,これを教員側にフィードバックする機能を持つシステムである.今年度はこれに関連して,ビジュアル型言語とテキスト型言語の中間言語が持つべき特徴に焦点を当て,両言語の中間特性を持つ中間コンテンツを提案して実証実験と評価を引き続き行った.また,構文解析のような大量のバックトラッキングを行うことなく,ビジュアルプログラミングで用いるプログラムブロックをグルーピングしたシンプルな構成要素を単位としてプログラムの差異や特徴を分析し,特異な状態な児童の抽出,正解プログラムとの差異からクラス全体の誤りの傾向を提示できる機能の開発を継続した.特に,実証実験時に問題となった箇所を中心に、システムの機能要件を見直し、分析手法や使用するモデルを見直し精度向上を図った. 以上のように、本研究では初等教育におけるプログラミング教育の現場での課題を解決するための多角的なアプローチを取り入れたシステムの開発とその評価を行い、児童の学習支援および教員の授業支援に寄与することを目指している。今後も引き続き、システムの機能向上と実用化に向けた取り組みを進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスが5類に移行されたが,十分な実証実験を実施するにはまだ制約があったため実験を完遂することができなかった.また,構築したシステムの機能の一部に問題があることが明らかになったことも,実証実験の実施とデータ分析が予定より遅れる原因となった.
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今後の研究の推進方策 |
連携している会津若松市内の小学校にて遅れている実証実験を行い,開発したシステムの機能要件やアルゴリズムの評価・検証をする.とくに,課題が難しくて逸脱しているケースと,簡単すぎて独自の作業をしているケースとを判別精度について詳細に分析し,必要に応じて精度の改善を図る. 昨年度明らかになったシステム上の不具合については早期に改修し,統計的なアプローチと機械学習的なアプローチの両面から学習者の編集作業の特徴パターンを抽出し,学習者の状態を適切に推定して,つまずいている学習者やそのつまずき箇所を特定できるように開発を進める.
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