研究課題/領域番号 |
20K03090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
熊野 真規子 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (50215026)
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研究分担者 |
高橋 梓 近畿大学, 法学部, 准教授 (90713636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 複言語・複文化教育 / 学習活動デザイン / 地域志向科目 / 文化変容 / 地域志向教育 |
研究開始時の研究の概要 |
挑戦的萌芽研究15K12904「社会実験的アプローチによる地方都市の複言語・複文化教育モデル構築と地域活性化検証」(2015-2017)で申請者ら が構築したプロジェクトモデルの基盤を土台として、「学生による地域の特性・地域語(津軽弁)への着目」「学生個々人の地域での体験の分析と抽象化」「学生が主体となる地域振興プロジェクトの運営」を通して学生の変容過程を分析し、継続中の教育プログラムの改善により新たな教育実践方法の確立を目指すことで、多分野に応用可能な日本型複言語・複文化教育モデルを完成することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、本プロジェクト当初より計画されコロナ禍で先延ばしになってきた「地域のことば」を核心に据えた対面交流プログラム(弘前大学ホストの交流実験・9月)の全体構想をデザインした。2日間の交流実験では、継続中の調査に加え、半日~1日の一般市民参加の講演と市民を交えたグループワーク(1日目「地域のことばとお菓子からフランスの地方を知ろう!」)、「方言」が鍵となる映画をめぐる市民を交えたグループディスカッション(2日目)を通じて、地元市民が参加することによる学生の学び・気づきの比較調査を新たに試み、連携協力研究者によってグループごとの参与観察、学びを深化させるためのトークセッションを行ったほか(2日目「フランスと日本の地域語をめぐって」)、参加学生を対象にふりかえりアンケートを実施、分析のためのデータを得ることができた。また、初日グループワークの成果公開として2週間のパネル展示(「ことばとお菓子の地域文化―フランスの地方とわたしの地方―」)も試み、インプットとアウトプットの組合せによる学び、展示見学者数とそのリアクションについても予備的調査を行った。 3月には交流実験プログラム概要と分析結果概要の発表を行い、2024年度の総括に向けて追跡調査(インタビュー)を継続中である。3月末に定年退職を迎えたが2022年度始めにリニューアル・移設したWEBサイト(https://hirofrench.com/)は今後も継続し、「地域言語・地域文化」のページにて弘前での交流実験概要等を掲載している。 分担者・高橋は2023年度の動詞的教養教育ワークショップの成果に基づき、個人が複数の文化を精神に統合する仕組みの研究に着手し、その一環として主に国際文化学的観点から動詞的文化を主題とするシンポジウムを企画した(国際文化学シンポジウム「死者の国際文化学」、近畿大学、2024年2月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による初年度予備調査中止による遅れから、2回目の本調査が当初計画では全体総括に充てる予定だった最終年度=2023年度の実施になり、ほぼ一年遅れで進行している。そのため、2024年度までの一年の延長を申請し、承認された。 なお、報告年度については修正計画通りに実施することができ、継続中の追跡調査(インタビュー)以外は、最終年度のまとめ(学会報告、シンポジウム等)に向けてのデータを得ることができている。 分担者・高橋は2023年度に方言研究に着手する予定であったが、個人の精神における文化的統合のプロセスを解き明かす課題に専念し、主として文学テクストを参照した理論研究を継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度、代表者・熊野は、基盤となる継続課題を実施する研究班(A)〔授業プログラムデザイン「地域と世界をつなぐ」:学びと気づきの深化を促すデザイン〕および研究班(B)〔「地域への目覚め活動」と日本型複言語・複文化教育の手法〕において、実施済みの2回の本調査をつうじて得たデータを基に追跡調査(インタビュー)と課題全体の総括を行い、学会および研究協力者らと共に企画するシンポジウム(一般公開)で報告する。 また、前課題研究(15K12904「社会実験的アプローチによる地方都市の複言語・複文化教育モデル構築と地域活性化検証」挑戦的萌芽)と本課題研究の知見を組み合わせた実践研究の準備に着手し、総括に際してより具体的な展望を明らかできるようにしたい。 研究班(C)〔「動詞的教養教育」:関心×地域×フランス:学生の大学間交流による変容分析〕の分担者・高橋は、2023年度の複数文化の統合についての理論研究をベースに、津軽弁による方言詩を考察対象として、フランス文学との比較により両文化圏の地域主義を考察する予定である。2024年度は現在の理論研究に方言詩の問題を加え、弘前市立郷土文学館の資料、近畿大学の学生を対象とした複言語・複文化の実態調査を行う。
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