研究課題/領域番号 |
20K03100
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
|
研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
遠海 友紀 東北学院大学, 教養教育センター, 講師 (20710312)
|
研究分担者 |
村上 正行 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (30351258)
嶋田 みのり 東北学院大学, ラーニング・コモンズ, 特任助教 (40713996)
稲垣 忠 東北学院大学, 文学部, 教授 (70364396)
岩崎 千晶 関西大学, 教育推進部, 教授 (80554138)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ラーニング・コモンズ / 学習支援 / 学生スタッフ / コンピテンシー / コンピテンシーリスト |
研究開始時の研究の概要 |
ラーニング・コモンズでは、学部生・大学院生を問わず、多くの学生が学生スタッフとして活動している。ラーニング・コモンズを支える人材として学生スタッフにはどういった能力が求められるのか、ラーニング・コモンズをよりよく運営するために学生スタッフに対してどのような研修が必要なのか明らかにし、検証する必要がある。 そこで、本研究では、ラーニング・コモンズでの学生スタッフの活動と、活動に求められる能力を調査し、活動目的に合わせたコンピテンシーリストの開発や、コンピテンシーに合わせた研修とその評価の枠組みを提案する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、ラーニング・コモンズ(以下、LC)で活動する学生スタッフについて調査し、活動内容や運用を整理した上でLCの学生スタッフに求められる力を整理する。また、その力の修得に必要となる研修や評価の枠組みを提案することを目的としている。 本研究に取り組み始めようとした2020年度は、新型コロナウイルス感染症の発生・拡大が大学運営に大きな影響を与え、この状況は2021年度も継続した。この間、各大学では授業実施や施設運営に関する対応が求められる状況が続いた。そこで、2020年度、2021年度はコロナ禍におけるLCの開室状況に関する調査を実施した。その結果、コロナ禍に入った直後は閉室する施設も多くみられたが、コロナ禍が続く中で、多くの施設が感染対策をした上で施設をあけ、学生が利用できるように対応したことがわかった。また、学習支援や学生スタッフの活動についても、コロナ禍以前から取り組んでいた対面での対応も可能な範囲で継続しつつ、オンラインを活用した対応の取り組みなどもみられた。 2022年度は、2020年度、2021年度の調査結果を整理し、まとめる作業を中心に取り組みながら、先行研究や様々な大学の事例を用いて、LCにおける学生スタッフの取り組みについての調査を継続した。また、学生スタッフが多く関わるライティングセンターのオンラインチュータリングや、LCにおける学習支援として、今後さらに検討が必要になると考えられるグループプレゼンテーションに関する調査にも共同研究者と取り組んだ。 2023年度は、大学内で活動する学生スタッフに関する先行研究を改めて整理した上で、本研究で扱うLCにおける学生スタッフの活動内容を焦点化する作業を行い、研究計画の再検討に取り組んだ。また、海外の大学で取り組まれている学習支援の状況を知るため、韓国の大学を訪問し、視察やインタビュー調査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の取り組み始めた2020年度から2022年度において、大学は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、研究計画で当初予定していた調査の実施が難しい期間が続いた。このような状況の中、2020年度、2021年度はコロナ禍におけるラーニング・コモンズ(以下、LC)の状況の調査に取り組んだ。コロナ禍を経て、LCの運用や学生スタッフの活動の状況を改めて把握する必要が生じたため、2022年度、2023年度はLCの運用や学生スタッフの活動についての情報収集を継続した。また、学生スタッフの活動については、LC内での活動に限定せず、大学内で活動する学生スタッフに関する先行研究を再度整理した上で、改めて本研究で扱うLCにおける学生スタッフの活動内容の焦点化に取り組んだ。さらに、2023年度は、学習支援に参画する学生スタッフの制度を構築し運用を開始することで、状況の調査を始めるとともに、海外での学習支援の状況を知るため韓国の大学への訪問調査にも取り組んだ。 このように状況が許す範囲で調査に取り組んできたが、研究開始当初から2年あまり、新型コロナウイルス感染症の影響で計画通りに研究に取り組めない状況が続いた。また、この状況が落ち着いた時点では、コロナ禍が大学やLC、そこで活動する学生スタッフにどのような影響を与えたのか確認する必要があった。これらの状況を踏まえ、研究の目的を達成するため、研究計画を再検討し、改めて状況にあった調査・研究に取り組むことになった。そのため、本研究の進捗は、当初の予定よりは、やや遅れている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では、コロナ禍の経験を踏まえて新しく始まった取り組みについても確認しながら調査に取り組むため、研究計画を修正して取り組みを継続する。 2024年度は、これまで取り組んできた文献調査や情報収集の結果を踏まえ、ラーニング・コモンズ(以下、LC)の学生スタッフに求められる力の整理と、その習得に必要となる研修や評価の枠組みの提案に向けて、調査・分析・考察を継続する。具体的には、学生スタッフが活動するLCの担当者の協力を得て、LCでの学生スタッフの活動を支える教職員へのインタビュー調査を継続する。インタビュー調査では、これまでの調査項目を継続し、LCのコンセプト、学生スタッフの活動目的、内容、人数、構成、研修、運用の担当者、担当者が考える活動に必要な力、活動の成果と課題について聞く。さらに、LCで学生スタッフとして活動する学生の意見の収集にも取り組む。また、これらの調査結果で明らかになった知見を、学生スタッフの活動や研修の中に試験的に取り入れ、提案内容を精査する。
|