研究課題/領域番号 |
20K03114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松本 剛史 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (40536140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 回路デバッグ / 回路検証 / 回路実験 / 工学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの大学・高専の電気系・情報系学科で実施されているディジタル回路実験において、学生が主体的に回路の誤りに気付き、自ら修正することができる環境の構築を目的として、回路作製支援システムを導入し、実際の授業での実践を通して評価を行う。回路実験における回路作製支援の新たなアプローチとして、ネットリスト間の等価性検証や回路誤り位置の特定など、回路検証とデバッグ分野における近年の技術を採り入れたシステムを開発・実践することにより、実験作業の効率化が図れるだけではなく、作ったモノの正しさを自ら確認し、修正する意識を持たせる教育効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
高専で実施されている論理回路(ディジタル回路)実験の多くは、ブレッドボード上で回路を組み、それを測定することによって進められる。ディジタル回路の実験は、コンピュータアーキテクチャや組込みシステムといった計算機科学の基礎を理解するために重要なものであるが、アナログ回路等の他の回路実験に比べて、使用するIC数も多く配線が複雑になるために回路デバッグが難しく、学生自身で進めることが困難な場合がある。本研究では、このような状況を改善して自主的・効率的に実験を進めることができるようにするため、また、その結果としてより高度な回路の実験を行うため、学生実験において回路デバッグを支援する環境の開発を進めている。 研究期間3年目となる2022年度は、前年度までに開発した配線検証システムとブレッドボード回路デバッグ支援システムを小型シングルボードコンピュータであるRaspberry pi上に実装した。配線支援システムは、演習室のPCで回路図エディタを用いて作成した回路配線が正しいかどうかをSMT問題に定式化して検証するシステムであり、回路図エディタで保存したファイルをRaspberry pi上のWebサーバにアップロードすることによって検証ができる環境を構築した。一方、実際にブレッドボード上に作成した回路のデバッグを行うシステムは、Raspberry pi内のプログラムによって生成した入力パターンを回路に与えた後、回路で計算された値をRaspberry piで取り込んで処理することにより、誤りの有無や誤り箇所を提示するものである。これらについて、基本的な実装は完了しており、次年度の実験授業で学生に使ってもらい評価を行うことができるように準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行の影響による半導体不足により、予定していたRaspberry piの機種を必要数調達することができなくなったため、開発が遅れ、研究期間を延長することとした。なお、予定していたRapberry pi 3 model Bは、生産が再開されることなく生産終了となる可能性が高いため、代替品として、Raspberry pi 4の調達を予定している。Raspberry pi 4は価格が予定機種に比べて高くなるため、台数を予定より減らして対応する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、Raspberry pi 4を早期に調達し、2022年度の基本的な実装を改良して、電子情報工学科3年で実施しているディジタル回路実験で実際に学生に使用してもらい、評価を行う予定である。
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