研究課題/領域番号 |
20K03142
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 新潟大学 (2021-2022) 明石工業高等専門学校 (2020) |
研究代表者 |
竹岡 篤永 新潟大学, 教育基盤機構, 特任准教授 (30553458)
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研究分担者 |
高橋 暁子 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20648969)
根本 淳子 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (80423656)
北川 千穂 明石工業高等専門学校, 人文科学系, 教授 (90826992)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ストーリー型教材 / インストラクショナルデザイン / 高専基礎教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、学習内容を実社会・実生活に結びつけながら学ぶための方法として、リフレクション活動を伴うSCCに着目した。定期的にリフレクションを行うことにより学びの進捗が確認でき、同時に学びの成果を実社会・実生活に結びつける契機とすることができる。本研究課題の問いは「基礎レベルの専門知識獲得のために、学習内容を応用する形で実社会・実生活と結びつけるための教育設計とは何か」である。学習への意欲を維持しつつ、広範な専門領域を学ぶためには、絶えず意欲を喚起する方策を講じる必要がある。超高齢化社会の職業生活には学び直しが必須とされ、そのベースとなる専門領域の概念的理解を確実にする方法も期待されている。
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研究実績の概要 |
本研究は、工学分野の中堅技術者を育成する工業高等専門学校(高専)教育を題材に、実社会・実生活での技術・スキルの応用事例を見せながら、基礎レベルの学習内容を学ばせるための教育設計(リフレクションツールを伴うストーリー型教材の設計)の総合的な研究である。研究代表者がこれまで行ってきたストーリー型教材のデザイン研究を発展させ、基礎的な学習内容におけるストーリー型教材の設計要因を特定することを目指している。3年目である本年は、①ストーリー型教材を設計するための基礎資料の収集(高専卒業生、教員、企業関係者等へのインタビュー)を推進し、③ストーリー骨子の作成を目指した。 3年目のコロナ禍の影響を受け、当初の計画通りの方法での実施は難しかったが、代替的な方法により研究を進めることができた。 ①教材試作のための情報収集については、毎年高専1年生に、10年後の姿をどのように思い描いているのかを尋ねている英語授業でのアンケート結果を活用した。アンケートを実施したA高専は入学時に希望学科を決めるという方式を取っており、早いうちから職業選択をしていると予想されたが、1年生の段階では、必ずしもその学科の先にある仕事がイメージできているとは言えない状況が見えてきた。このように明らかになってきたことを踏まえて、追加でのデータ収集を行った。また、研究代表者が担当する授業で企業によるミニ・レクチャーを行う機会があり、その活動を通じて、中堅企業について紹介を受け、記述担当者、人事担当者へのインタビューを行った。これらのインタビューを通じて、企業が学生に求める汎用的なスキルや専門的なスキルについて、ある程度、明らかにすることができた。③ストーリー骨子については、①を受け、これまでの想定とは異なり、汎用スキルにも焦点を当てる必要がでてきたことがわかった。これについては、検討に入った段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①情報収集:ストーリー型教材の設計のために必要な情報については、高専に入学したばかりの状態で、職業に対してどのような意識を持っているかがある程度把握できた。1年目の成果としてすでに、就職・進学(大学編入学)を控えた学生が、専門の学習を重ねてきたものの、その専門を活かした就職を望んでいない場合のあることがわかっている。1年生の意識と就職を控えた学生(高学年学生)の意識の両面からの情報がおおむね収集できたと考えている。また、さらに追加で既存データを提供してもらった。 ③ストーリー骨子の作成:高専生だけを対象とするものではないが、企業が学生に求める力についての情報をインタビューから得ることができた。その結果、想定とは異なる展開が必要となることが見えてきたため、計画を練り直す必要が出てきた。
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今後の研究の推進方策 |
4年目は企業関係者と、高専関係者へのインタビューを中心に行う。インタビューは、ストーリーのリアリティを実現するための必須の活動であると考えているが、リアリティを浮かび上がらせるインタビュー項目については、明らかになっていない点が多い。そこで、まずインタビュー項目を明らかにする。その項目に基づいて、追加でインタビューを行い、その上で、ストーリー教材のプロトタイプを作成する。プロトタイプの用いるデータは、一部収集済みであるが、不足している点もあるため、現在までに収集した情報をアイデアベースで確認し、さらに情報を収集しながら、アイデア、紙教材などによって、確認を繰り返す形を取る予定である。教材のプロタイプ開発を目指すのではなく、ストーリーの文脈作成の要件を整理していく予定である。
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