研究課題/領域番号 |
20K03161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎太郎 昭和大学, 医学部, 准教授 (10445611)
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研究分担者 |
本間 哲也 昭和大学, 医学部, 講師 (00515231)
相良 博典 昭和大学, 医学部, 教授 (80275742)
土屋 静馬 昭和大学, 医学部, 准教授 (70439438)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ICT・IoT / シミュレーションソフトウエア / 反復学修 / アクティブラーニング / 反転教育・反転学修 / アナフィラキシーショック / アレルギー学 / プロフェッショナリズム / シミュレーション教育 / ICT・IoT利活用 / 自主学修による事前学修・反復学修 / Body Interact / COVID-19 / コロナ禍 / 教育学 / アレルギー・ぜんそく / Active learning |
研究開始時の研究の概要 |
【背景】医学教育におけるICTの利活用はActive learningの意欲を高め、修得した知識を応用し、実践的な臨床能力を高めることが期待される。【目的】シミュレーション医学教育システムBody Interactを用いて、学生がシナリオを反復学修することで、効率的にアナフィラキシーの治療・管理に関する知識・診療技能の定着を図る。【独自性】行動別採点とデブリーフィングの機能により学生が楽しみながら病態を学修可能である。【ゴール】早期から反復的にBody Interactによる自主学修を行った学生は、より大きな学修効果が得られ、アナフィラキシーを迅速かつ確実に治療できる人材として成長可能である。
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研究実績の概要 |
2022年度には反転学修の成果を確認するための教室(教育研修棟)での演習を、学生1人ずつ順番に行っていたスタイルから「競争意識」を強め、Body Interactの持つゲーミフィケション性を高めるため、2人一組で競争させるように並列で行ってもらいました。学生はより緊張感をもって演習を行うようになり、また反復学修の成果がより際立つ結果となっていました。さらに2022年に日本アレルギー学会の発刊するアナフィラキシーガイドライン2022が改訂されたため、演習後のフィードドバックでは同ガイドラインに掲載された最新の情報を基にアナフィラキシーのクルズス(小講義)を行いました。 2020年度から引き続き、医学部4~5年生を対象にしたシミュレーションソフトウエアによる反復学修の教育効果を評価する研究を行いました。また2021年度から開始した低学年(2年生)を対象にした短期学修効果を確認するための6週間のシミュレーションソフトウエアによる反復事前学修を核としたアレルギー学、呼吸器学のカリキュラムを本年度も行い、前年度同様に反復学修により学生の診療技能が向上することが示されました。 いずれの学年においてもシミュレーションソフトウエアによるバーチャルな学修だけでなく、アナフィラキシーショックで倒れた患者と遭遇した際に、バイスタンダーとしてアドレナリン自己注射液(エピペン)を実際に患者を模した物理的シミュレーターに迅速かつ正確に注射することが出来るかどうかのミニOSCEも実施しました。バーチャルとリアルの教育手法を融合し、高いプロフェッショナリズムの涵養に繋がる医学教育のICT/IoT利活用の事例として注目を浴びており、国内外の学会・研究会で本研究成果を発表・報告してきました。演習した際に学生が分からないことを追加で独習可能な新たなアクティブラーニングツールとしても評価を頂いています。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2020年度から本学で始動した医学教育改革の核としてアクティブラーニングの積極的導入を研究代表者が中心となって行っており、新カリキュラム(基礎臨床統合講義)は学内は勿論のこと、学外施設からも見学希望が相次ぎ、日本医学教育評価機構(JACME)からも高評価を頂くことが出来ました。本研究の中間成果を学内でも公開し、FDを行うことにより他診療科・講座においてもシミュレーションソフトウエアBody Interactを授業や実習に採用してもらえるようになり、アナフィラキシーショック以外の臨床現場で遭遇困難な疾患・病態の学修に大変有効に利活用していると報告を受けています。文科省が積極的に進めている高等教育のICT導入、DXに関して、「難しい」と感じている高等教育機関が存在すると聞いていますが、本研究のスキームを導入し、各施設の状況や特色に応じてローカライズすることでシームレスな基礎医学、座学から臨床医学への早期曝露(Early Interaventon)や高度な診療技能の習熟をDXで実現可能であると自負しております。 約3年間のコロナ禍で学生も自宅や図書館などで自主学修する環境に慣れてきました。各自が好きな時間帯やタイミングで気軽に臨床医学を学べる点も本研究がもたらした大きな功績ではないかと考えています。
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今後の研究の推進方策 |
3年間の本研究の実施により、短期・中期の反復学修効果は非常に高く、かつ新型コロナウイルス感染症の流行下の学生の学び方の変容に応じたアクティブラーニングを本研究計画が提案することが可能であったと考えます。本研究の計画で中心となる長期学修効果については引き続き、2020年度および2021年度にそれぞれ2年生であった学生を対象に3年生次、4年生次と反復学修効果を継続して観察していきたいと考えています。シミュレーションソフトウエアの判定した成績評価とミニOSCEの教員評価に関係性があるかどうか、またそれを向上させるにはどのような取り組みが必要かどうかについて副次的に研究を追加したいと考えています。とくに本研究計画中の2023年度よりPostCBT-OSCEが公的試験化しますので、実際に診療が可能な技能を学生が獲得できる取り組みかどうかが今後の医学教育に求められる課題であると考えます。本研究もその点に留意して研究計画を推進できるように分担研究者である医学教育学講座のメンバーと引き続き協議して参ります。
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