研究課題/領域番号 |
20K03171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 公益財団法人学習情報研究センター |
研究代表者 |
赤堀 侃司 公益財団法人学習情報研究センター, 研究開発, フェロー (80143626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 学習方法 / 授業デザイン / GIGA端末 / 自己調整 / 対話的学び / 探究的授業 / 俯瞰力 / 教科横断 / STEAM教育 / 学力比較 / 読解力 / 論理的思考力 / タキソノミー / AI / チューリングテスト |
研究開始時の研究の概要 |
研究上の「問い」は以下の3つである。 ① 人とAIは、学習においてどのような特徴があるか、すなわち、人はAIに比べて、何が優れていて何が劣っているか、その理由は何か。 ② 人の学習における認知スキルは、小学生から大学生までの間にどのように変わるのか、その結果から、人は、AI時代においてはどの認知スキルを伸ばせばよいのか。 ③ 上記の①と②の研究知見を元に、AIの特徴を生かす学習方法をデザインすることができるか、それは効果的な学習方法になるのか。
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研究実績の概要 |
2023年度の研究計画は、コンピテンシーをベースにした授業デザインの実践的研究であった。そこで埼玉県所沢市の小学校3校中学校3校を対象にして、実際の授業を参観し、これらの授業を元に、前年度までに明らかになったコンピテンシーを視点においた分析を行った。但し授業実践は研究を前面に押し出すことは難しく、それぞれの学校における事情も考慮しながら分析した。現実の学校では、GIGスクール構想により1人1台端末をどのように活用するかが重要視されており、それらを考慮しながら分析を進めた。その結果以下のような授業で重視される内容と課題が抽出された。 授業で重視される内容として、探究的授業とICT活用、対話的学びとICT活用、授業デザインとICT活用、自己調整とICT活用、今後の課題として、ウェルビーイングとICT活用、GIGA端末の成果と課題、教育データ利活用、生成AIの教育利用であった。これらの内容については、主に教員研修などで授業実践を背景にしながら研究成果を交えた講演などで発表した。 探究型授業では先行研究に基づいて4つのタイプに分類し、それぞれのタイプに応じた特徴を抽出できた。対話的学びでは、対象が大学生であるが、社会課題を元に議論した内容を詳細に分析し、5つのタイプに分類できた。授業デザインについては、デザイン思考を背景にしたモデルを考え、実践との対応を試みた。自己調整とについては、これまで多くの研究があり新規性は小さいが、予見の段階、遂行の段階、振り返りの段階のそれぞれにおいて実践で見受けられる特徴を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度はこれまでの研究成果に基づく授業実践への展開であった。そこで埼玉県所沢市の小学校3校中学校3校の協力を得て授業実践を行った。それらの授業実践を研究者が参観して授業記録を取り分析するという方法である。これらの方法は、design based researchであるが、研究成果と現実の学校のねらいとする授業との関連がかなり難しく、さらにかなりの労力がかかるので、初期の計画とは方向性が少しずれてしまった。ただし1年間でそれぞれの学校を11回実施したので、合計66回の授業実践に参加し分析できたので、量的には目標を達成できた。しかし質的には目標とのずれが出てきたので、次年度はそのズレを修正しながら、現場の実践に即した研究のデザインをすることにした。ただし多くの実践を積み重ねたので、その成果と課題は現場に役立つ研究として期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況で述べたように、次年度の研究の推進方策として、学校現場における実践の要因を加味しながら、未来志向の教育研究にシフトする予定である。対話的学びとICT活用については、2023年度にすでに研究を終了して論文として公表したので、次年度は探究的授業と自己調整を中心においた授業実践を分析して、研究知見を得る予定である。このため、 8月下旬にメルボルンのモナッシュ大学と小中高等学校を訪問し調査研究を行ない、探究的授業、特に教科横断型の授業のグッドプラクティスとその理論的背景を調べ、日本の実践に活用して行く予定である。オーストラリアは全体的に自己調整を中心にした実践が多く、参考になると思われる。すでに関係機関と連絡を実施している。
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