研究課題/領域番号 |
20K03181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 弘前医療福祉大学 (2022) 青森県立保健大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
福岡 裕美子 弘前医療福祉大学, 保健学部, 教授 (80369280)
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研究分担者 |
工藤 英明 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60424008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 多職種連携 / 高齢者ケア / 同一事例 / アセスメントセミナー / 実態Web調査 / 多職種連携実態調査 / シミュレーション教育 / 多職種 / アセスメント力 / 連携・協働 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、地域在住高齢者の暮らしを支える多職種のアセスメント力育成のためのプログラムの構築である。このプログラムを構築そして普及することができれば、地域在住高齢者の暮らしを支える多職種の連携・協働推進の一助となる。方法はシミュレーション教育手法を用いて、一人の高齢利用者(模擬利用者を設定)のケア場面を再現し、多職種が同時にアセスメントを実施するワークショップを開催する。ケア場面についての各専門職のアセスメント内容を参加した多職種と共有する。これが各専門職のアセスメント視点を知り、アセスメント力を育成し、次につなげる各専門職へその専門に応じた情報を伝えることができるようになるものと考える。
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研究実績の概要 |
令和4年度は高齢者ケアに携わる多職種がアセスメント力をアップするためのプログラム構築に示唆を得ることを目的とし、高齢者ケアに携わる多職種が同一事例をどのようにアセスメントするのか、オンライン(Zoom使用)にて「多職種連携アセスメントセミナー」を2回開催した。第1回目は、2021年度Web調査「多職種連携に関する実態調査」時に今後の調査に協力する意向のあった13名のうち、3名から参加協力を得て令和4年6月に開催した。第2回目は令和4年10月に、青森県五所川原市の五所川原市介護事業者連絡協議会とタイアップし実施した。協議会会員の施設へ宣伝チラシを配布し、参加者を募集し14名から参加協力を得た。さらに、機縁法で4名から個別参加協力を得た。2回のセミナー参加者および個別参加者には、事前に架空事例をメールで配布し、架空事例の中で①まず、気になったところ、②さらにほしい情報、③架空事例に関わっているワーカーに取ってきてほしい情報を考えてきてもらい、セミナー当日のワークの中あるいは聞き取りの際に、考えてきたことを自由に発言してもらった。すべての参加者からの同意を得て発言内容を録音・録画しデータとして収集した。この2回のセミナーおよび個別に参加した職種は、主任介護支援専門員、訪問看護師、管理栄養士、社会福祉士、保健師、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、理学療法士、介護職の11職種だった。 各専門職は自らの専門分野の視点でアセスメントを行っていた。多くの参加者から、職種が違うとアセスメント視点が全然違うことを改めて感じたということが得られた。また、他の専門職の視点が勉強になったことや多職種の目線で情報収集し連携を取ることがよいサービス提供につながるということが述べられていた。得られたデータの分析をさらに進めることで、アセスメント力の育成に示唆を得ることができるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究当初から新型コロナ感染症感染拡大のため研究の進捗は遅れていた。現在ほぼ1年遅れで研究が進行している状況である。本研究の研究対象者がいる青森県内の新型コロナ感染状況が落ち着かないため、研究対象者は本務(在宅高齢者のケア)に追われており、参加者は予定通りに集まらない状況は変わらなかった。さらに福祉系の職種は研修等がすべてオンラインに切り替わっていることから、令和4年度はワークショップをオンラインで実施するための方法を検討し実施することができた。 現在ほぼ1年遅れで研究が進行しているが、令和3年度は多職種連携・協働のWeb実態調査を実施し実態を把握することができた。その結果を研究協力者(要望のあった協力者)へ簡略化した報告書を作成しメール添付にて報告することができた。令和4年度は同一事例を用いたセミナーを開催して、多職種のアセスメント視点を把握し、データ収集することができた。詳細な分析は今後進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ1年遅れで研究が進行しているが、令和3年度は多職種連携・協働のWeb実態調査を実施し実態を把握することができた。令和4年度は同一事例を用いたセミナーを開催して、多職種のアセスメント視点を把握し、データ収集することができた。令和5年度は研究計画の基、データ収集した多職種のアセスメント視点の分析、同一事例を用いたアセスメントセミナーに参加した職種に、その後、ワークショップで得たことを、日々のケアに役立てているかヒアリングを実施する予定である。参加者は個々のアセスメントに不足な点に気づくことができたので、その後、実践の場で活用することができているのではないかと考える。参加者にヒアリング実施することにより、その内容を明らかにできると考える。さらに、多職種のためのアセスメントセミナーを手軽に開催できるように、開催方法について小冊子を作成し青森県内の介護サービス事業所へ配布したいと考えている。こうした手法について小冊子を手掛かりに、各専門職が抱えている事例を各事業所内で検討できるのではないかと考えている。
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