研究課題/領域番号 |
20K03184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
及川 義道 東海大学, 理系教育センター, 教授 (00213611)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 生体情報取 / 廉価ウェアラブルセンサ / moodle拡張機能 / Web Bluetooth API / 廉価ウェアラブルセンサー / 生体情報取得 / 廉価ウェアラブルセンサー / 生体情報活用 / ウェアラブルセンサー / eラーニング / 学習支援 / モジュール開発 |
研究開始時の研究の概要 |
インターネットを利用した学習いわゆるeラーニングは、いつでもどこでも学べる反面、学び続けるには強い意志が必要であり、途中で挫けてしまう学習者も多い。本研究は、脳トレや学習用として販売されているような脳波計や、スマートウォッチの心拍計のような、安価なウェアラブルセンサー(身体に装着する生体センサー)を用いて、本人が普段意識していないような体の内部の状態を見える化して提供すること、また、得られた状態によって学ぶ内容を変化させたり、学び方をアドバイスしたりすことが、eラーニングで学び続けることの支援に役立つかを検証する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2022年度から継続して簡易脳波計から出力される情報をLMS(Learning Management System)の一つであるMoodleにて取得・表示する方法を検討した。本研究の目的は、学習者の内的状態を外化した情報を提示することで、学習者の学習内容、方法の選択、および学習効果にどのような影響を与えるかを明らかにすることである。まず、2022年度で開発が成功しなかった簡易脳波計から得られたデータをMoodleの拡張機能として実装する方法について検討した。 簡易脳波計としてMuse2をターゲットとし、Moodleのブロック型の拡張機能の開発に関する定法に従い、PHPおよびJavaScriptをプログラミング言語として、拡張機能の実装を試みた。その結果、Muse2からの情報の取り出しと、ブロック型拡張機能上でデータをグラフとして表示することに成功した。これにより、内的状態の外化を情報提示としてLMSで利用する道筋をつけることができた。ただし、表示できたデータは脳波計の電極で得られた電圧の変化であり、α波やβ波といった集中状態や瞑想状態を予測するための脳波情報に変換する必要がある。 そこで、既存のフーリエ変換ライブラリを利用して、電圧の経時的な変化から離散フーリエ変換を用いてα波、β波を取得する方法を検討した。先に開発したJavaScriptのプログラムとライブラリを組み合わせてα波およびβ波の出力を試みたところ、実時間で脳波データの出力が可能となった。実利用にはノイズ除去などの前処理について改善が必要であるが、Moodle上に脳波を取り込む方法は確立できたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年2023年度末の段階において、LMS上で生体情報を学習者にフィードバックする方法を確立する予定であり、そのためのLMSの拡張機能等の開発を継続している。しかし、簡易脳波計から得られる電極の電圧情報から脳波成分を抽出する段階において処理が不十分であり、この問題を年度内に解決することができなかった。その結果、2024年度当初から実施予定であった効果測定の時期を延期する必要が生じている。他のウェアラブルシステムの利用に関しては、LMSとの連動は行わず、既存のアプリケーションを通じて得られる出力データをフィードバックに活用することで、開発システムの不具合に対応する方針である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度上半期には、簡易脳波計からの電極情報からα波、β波を取得する部分の問題点を解決し、適正な脳波データの取得および表示が可能な状態にすることを目指している。また、学内での人を対象とした研究に関する許可の取得と被験者の募集、評価試験の準備を並行して行う予定である。評価試験は、学習中の状態を映像として記録することも考慮に入れ、被験者の健康面に配慮しつつ対面で実施する予定である。 令和6年度下半期には、実際に生体フィードバックの有無による学習状況の変化を検証することを考えている。そのために、作業情報の映像および事前事後のアンケート結果からデータを収集し、その分析を行う予定である。
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