研究課題/領域番号 |
20K03198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 富山高等専門学校 |
研究代表者 |
向瀬 紀一郎 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (60408721)
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研究分担者 |
金山 恵美 富山高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70779800)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 海事教育 / 仮想現実感 / 仮想現実感技術 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の輸出入の99.6%は、タンカーやコンテナ船などの大型外航船によって運ばれている。それらの外航船は、各船23名程度の船員のチームによって運航されている。そのチームの幹部となる8名程度の船舶職員には、専門的な知識や技能などのハードスキルに加え、高度なチームワークにおける忍耐力・決断力・指導力・コミュニケーション能力などのソフトスキルが求められることになる。 本研究は、大型外航船の幹部職員に求められる特異なスキルを総合的に育成するグループワークのための、低コストかつフレキシブルなVR訓練システムを開発し、その効果を測定することによって、効果的な訓練手法を解明するものである。
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研究実績の概要 |
富山高等専門学校は,大型外航船(国際航路を行き交うタンカーやコンテナ船など)の運航を司る幹部職員を養成しており,練習船での乗船実習を含む海事教育を実施している。本研究は,乗船実習の補強となる新しい形のグループワークを,VR(仮想現実感)技術などの最新のICTの応用によって実現し,その効果を測定し,外航船の幹部職員に求められる特異なハードスキルとソフトスキルがどのような訓練によって育成され得るものであるのかを明らかにすることを目的としている。 なお,2019年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴い,2023年まで,練習船を利用した乗船実習を本来の形式のとおりに実施できない状況が続いた。一方で,この新型コロナウイルス感染症問題の影響により,教育現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)の飛躍的な進歩が見られたことも事実である。 本研究も,当初は乗船実習やグループワークの充実を想定した計画で開始されていたが,このウィズコロナ時代に対応した計画,そしてアフターコロナ時代に貢献する計画へと,大胆に舵を切りつつ実施されている。VR技術を応用した新しい形のグループワークについては,学生が教室に集合して特別な装置を使用して参加する様式だけでなく,学生が個々の自宅から一般的な情報端末を使用して参加する様式にも対応できるものとなるよう再検討された。2023年度には富山高専の練習船「若潮丸」において撮影されたVR映像の安定性と視認性に関する問題の解決に取り組み,再度の撮影に向けた準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い,2020年から2023年にかけて,練習船を利用した乗船実習を本来の形式のとおりに実施できない状況となり,さらに陸上の施設を利用した授業や実習についても,感染症の流行状況に応じて特別な様式での実施を常に想定すべき状況となっていた。このため本研究でもVR訓練のシナリオ等について,より広範な目的で活用できるものへと,またより多様な形式で実施できるものへと,ゼロベースで再検討された。これに伴い,VR教材のための映像については,2024年度に改めて撮影されることになった。
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今後の研究の推進方策 |
現在,大型船の船橋および甲板における多様な作業を迅速に実施できるハードスキルと,それらを互いに有機的に連携させて安全に実施できるソフトスキルの,多面的な訓練のためのVR教材の制作を進めている。学生が教室に集合して特別な装置を使用して体験する形式だけでなく,学生が個々の自宅から一般的な情報端末を使用して体験する形式にも対応したVR教材とシステムを構築し,それを用いたVR訓練を富山高専商船学科の学生を対象として実施し,学生の習熟度をルーブリックに基づいて評価し,分析する計画である。
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