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わが国の初等・中等教育課程における遺伝教育の課題解決と遺伝教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K03216
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分09080:科学教育関連
研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

山本 真紀  関西福祉科学大学, 教育学部, 教授 (60240123)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード遺伝教育 / 教科書 / 日本の中等教育 / 新課程 / アジア諸国 / 遺伝学用語 / 初等・中等教育 / メンデル遺伝 / 遺伝リテラシー / ICT教育
研究開始時の研究の概要

学習指導要領の改訂によって、メンデル遺伝は大幅に削減され中等教育課程間で分断されることになった。本研究は、わが国の一般市民の遺伝リテラシーを担保するためにも、中学校や高校の理科、生物教員の支援が最も重要であると位置づけ、現職教員への実態調査や諸外国の遺伝教育の事例調査とそれらの比較分析から新教育課程の課題解決を試みる。調査の分析結果については、学会等での成果発表や学会分科会の企画を行うなどして情報を発信すると共に議論を行い、遺伝教材や遺伝教育課程の改善を検討する。教材については、海外の事例を参考にして小学校での遺伝学習の可能性の検討やICTを活用したプログラミング学習の開発も行う。

研究実績の概要

令和5年度は、今までの研究成果をふまえて日本の遺伝教育の実態からみたわが国の科学教育の方向性について海外発表を行い、トルコの遺伝教育について現地調査を行った。さらに、高等学校生物について5社の教科書を入手し詳細に分析した。「遺伝の法則」については本文外で復習として取り扱われている教科書があったが、「独立の法則」は概念の説明はあるものの、用語の使用は本文外もしくは全くなかった。「減数分裂」は生物基礎では本文外からも削除されたので、生物を選択しなければ染色体の動態や遺伝との関連性を詳しく学べなくなった。結果的にわが国の遺伝教育は、中学校までで遺伝の学びを途中で終える多くの生徒と、高等学校生物の履修で遺伝概念が完結する少数の生徒に二分化されると考えられる。海外の教科書調査は、中国とトルコについて行った。中国では小学校5年生から遺伝教育を取り入れ、身近な家族間の遺伝やメンデル遺伝の紹介がなされている。メンデルの遺伝の法則や減数分裂については8年生(日本の中学2年生)で学び、高級中学(日本の高等学校)の生物学「遺伝と進化」(必修)でメンデル遺伝を分離及び独立の法則まで体系的に詳しく学ぶ。トルコでは、7年生で減数分裂や染色体の乗換えなどを学んでから8年生(日本の中学2年生)で遺伝を体系的に学ぶ。中国やトルコにおいて中学校2年生で学ぶ遺伝の内容は、日本の旧課程の高等学校生物で必修化されていた内容に匹敵していた。さらに令和5年度も「ひらめき☆ときめきサイエンス」の小学生5、6年生対象プログラムを本研究協力者と共に実施した。日本の小学生にも遺伝現象に興味を持たせる試みとして、染色体標本の写真やコンピュータ画像を使って核型分析を行うプログラムを考案した。親から子へ染色体が伝わることが十分に理解してもらえたので、小学生でも教材の工夫によって遺伝教育が可能であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は、渡航計画としてトルコに出向き現地で5年生~8年生の教科書を入手した。さらに中国の教科書も入手でき、高等学校生物の新課程教科書の入手が完了したので、国内外の遺伝教育に関する教科書調査について一定の成果が得られた。前年度は、「遺伝」を取り扱う選択科目「生物」に関する諸問題についてアンケート調査を行う予定にしていたが、新課程の教科書の本格実施が令和5年度からであったことを受けて、現場の状況を鑑みてアンケート実施は令和6年度に延期した。さらに、令和5年度「ひらめき☆ときめきサイエンス」による小学5、6年生を対象とした遺伝教育のプログラムを本研究協力者と共に試みた。染色体によって親から子へ遺伝することを実感できたどうかについてアンケートをもとに調査分析を行っており、国内外の教科書の分析調査の成果とあわせて、高等学校の理科教員へのアンケート調査の構想に役立てる予定にしている。

今後の研究の推進方策

これまでの調査分析の結果を整理した新課程の遺伝教育内容を踏まえ、遺伝教育についての意識や授業の課題等を問うアンケートを完成させ、関西圏の小学校、中学校、高等学校教諭を対象としたアンケート調査を実施・分析する。令和4年度の教育講演会での議論内容や、「ひらめき☆ときめきサイエンス」で得られた知見もアンケート内容に反映させる。アンケート結果に基づき、遺伝教材や遺伝教育に関するカリキュラムの検討も進めるなどし、当初予定していた2023年度の研究計画「問題解決へ向けての副教材等の作成・教材実践・教育課程モデル検討」へ着手する。
遺伝教育における海外比較については、現在、台湾、インド、韓国、ベトナム、中国、トルコの教科書が入手できているので、日本の新課程の教科書との比較分析をさらに進める。特に日本の遺伝教育の影響を強く受けていると考えられるアジア諸国と日本の遺伝教育を比較分析する。教科書が入手できていない地域については、渡航または困難であれば代替案としてインターネットのオンライン機能を活用した調査等の検討も行う。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] New directions in science education: expectatic for the contributions of women scientists2023

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto, M., Atomi, Y., Shimizu, M., Ohto-Fujita, E., Atomi, A., Mukai, Y.
    • 学会等名
      The 19th International Conference of Women Engineers and Scientists (ICWES19)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 新学習指導要領のめざす科学教育の課題と方策2022

    • 著者名/発表者名
      山本真紀
    • 学会等名
      (一財)染色体学会第73回年会 教育講演「日本の科学教育を考える」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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