研究課題/領域番号 |
20K03226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
伊藤 信成 三重大学, 教育学部, 教授 (60344272)
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研究分担者 |
西浦 慎悟 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (50372454)
山縣 朋彦 文教大学, 教育学部, 教授 (70383213)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 天文教育 / 時間変動 / デジタル / 教材開発 / 天文学 / 科学教育 / ICT |
研究開始時の研究の概要 |
教育現場でのデジタル機器の利用により、これまで紙面という制約のためにできなかった動画および3次元的な視点を導入できるため、時間的・空間的スケールが大きく指導が難しいとされてきた天文現象の理解に有効である.そこで本研究では天体の動きに着目したテーマについて,デジタル機器の利点を活かし,動画教材の加工・計測を行える対話的操作機能を備えたものとすることで,児童・生徒が自身の興味・関心に基づいて主体的に現象の理解を深めることを目指す.
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研究実績の概要 |
天文分野では,デジタル技術の発達によりタイムラプス撮影のような時間変動を捉える撮影が比較的容易に行えるようになってきた.また,画像処理についても様々な技法が提案されており,一般的なPCでも多数の画像であっても常識的な時間内で画像処理できるようになってきている.本研究ではデジタルの利点である双方向性を意識し,実際の観察データを用いて動的宇宙の理解を深める教材の開発を目指している.特に「実感を伴った理解」を促すためには,人工的な映像ではなく実際に撮影した画像・映像を用いることが望ましい.特に教育現場での利用を念頭に置いているため,授業で扱う項目を参考に,天文現象を取り上げる計画である. R4年度はテーマとして挙げている10項目の内,変光星の光度変化,内惑星の運動,星の日周運動の3テーマについてデータ収集を行う予定であったが,変光星の光度変化については,予定していた観測装置の整備が間に合わず,R5年度への継続となる. 内惑星の運動については,内惑星の位置変化に基づいた軌道推定の教材開発を行い,大学生に対して効果の検証を行った.その結果から改善が必要であり,改めてデータ収集が必要であるとの判断をしている.星の日周運動については,若干作業が遅れているが,データ収集が完了し,教材化に向けた動画作成中である.これらの動画教材については,令和4年度の取組みにおいてVRの利用効果の検証ができたことから,タブレット等の平面スクリーンでの利用に加え,VRの利用についても検討を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年度、データ収集が難しかったデータについては、アーカイブデータで補填しながら進めているが、新型コロナウィルス感染症の影響で、開発した教材の効果について、学校現場での効果を検証する活動を行うことが難しかった。 フィールドでのデータ収集の機会が制約されたことで、データ収集の部分で遅れが出ている。フィールドでのデータ収集については、タイムラプス型の装置を設置し、定期的にデータ回収を行う予定でいたが、機器設置を依頼していた施設が一時閉鎖され立ち入りができない時期がある等の影響が発生した。 特に天文現象の観測好機と考えていた時期に緊急事態宣言が発令されたことにより、データ収集の計画に遅れが出ている。この状況の改善を図るため、フィールドではなく所属機関の敷地内でのデータ収集を進める方向で計画修正を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
【現在までの進捗状況】に示したように、遅れが生じており、特に観測時期が限定されるものについては、改めてのデータ収集が必要である。一方で、CMOSカメラ、360°カメラの導入により、これまでフィールド(遠隔地)で行っていたデータ収集について、ある程度の市街光がある環境下でもデータ収集ができる環境が整った。 VR動画についても、編集のノウハウが蓄積できたこともあり、アーカイブデータの活用も含め足りないデータを補う形で教材開発を進めていく。 また、開発教材の効果については、学校現場での活用とそのフィードバックが必要である。教材によっては校種の制約があったり、授業進捗等の影響で現場での実践時期が限定されたりすることがあり、すべての教材について令和5年度中の検証が難しい状況になっている。この点は、研究期間の延長も含め、対応を検討していく。
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