研究課題/領域番号 |
20K03271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
布川 和彦 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60242468)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 算数教育 / 分数 / パターンの科学 / 量と数 / 数と量 / 数学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は分数の指導に関して多くの研究が行われ、実際の指導においてそれらの知見が反映されてきているにも関わらず、学習者の分数の理解、特に数としての側面の理解が十分ではない現状に鑑み、従来とは異なる視点からの改善を目指すものである。新たな視点として数学をパターンの科学とする視点を採り、その視点からのアプローチを進めることで、現行のカリキュラムとそれに基づく指導の工夫を補完できるような理論枠組みを構築するとともに、そこから学習活動系列を開発する。
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研究成果の概要 |
小学校算数における分数学習の枠組みを、分数についての数学的な定式化、算数から数学への移行に関するパターンの科学を視点とした枠組み、教科書や先行研究で想定された展開、実際の分数の授業における教師の教授行動や児童の反応を分析することを通して構築した。特に量を用いた導入から分数を数として扱う数のディスコースへの転換の部分に課題があることから、単位分数を数として導入する手立て、その導入に基づき数のディスコース内部で分数についての諸性質や演算を構成する展開、分数を数として扱うことが明確になるような教師の語り方、量と数との関係の明確化と学習の進展に伴う関係の再構築などが枠組みの重要な要素として特定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行の小学校算数の教科書や授業、先行研究においては、「量分数」概念が重要な役割を果たしており、これが量を用いた分数の導入を支えると同時に、量と数の関係を曖昧にして数としての分数の認識を十分に育成できていないと考えられる。本研究で構築された枠組みは、量と数の関係を明確化した形での分数の導入や展開の方向性、そのために必要な教師の役割などを柱に据えるものであり、従来とは全く異なるアプローチの可能性を示すものである。このアプローチに基づいて学習活動系列などを具体化していくことで、分数をある種の数として明確に位置づけた形での分数学習の展開や、従来と異なる視点での分数学習の研究が可能になると考えられる。
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