研究課題/領域番号 |
20K03273
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
原田 信一 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90646647)
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研究分担者 |
安東 茂樹 芦屋大学, 経営教育学部, 特任教授 (40273817)
岳野 公人 滋賀大学, 教育学系, 教授 (70313632)
湯地 敏史 宮崎大学, 教育学部, 教授 (80418988)
山田 哲也 湊川短期大学, その他部局等, 教授 (00727224)
荻窪 光慈 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00431726)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 資質・能力 / 中学校技術科 / 課題発見・解決学習 / カリキュラム開発 / 技術科 / 課題解決 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,技術科教育における「資質・能力」育成のため,中学生と高校生(中学校技術科を既習)に「学びの意義」を意識させることに着目して,課題発見・解決学習のカリキュラムを開発し,その有効性を明らかにすることである。そして,開発した授業モデルを,単元(題材)のどの授業のどの学習場面でも,生徒が「学びの意義」を感じながら学習を進め,学習の喜びを感じるようにすることがねらいである。さらに「学びの意義」を生徒に実感させるため,題材の学習,毎時間の学習,毎時間の各学習活動がそれぞれつながっていることを理解させ,附属学校での授業モデル実践後は,パイロット校での実践,さらには公立学校にも広く啓発する。
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研究実績の概要 |
本研究では,技術科教育における「資質・能力」育成のため,中学生と高校生に「学びの意義」を意識させることに着目して,課題発見・解決学習のカリキュラムを開発(授業モデル)し,その有効性を明らかにすることを目的とする。 中学校では,全国的に課題発見・解決学習を試行した授業実践が多く見られるようになっているが,その中には,題材(単元)の構成,授業展開が課題発見・解決学習的な配列であるだけで,教師主導の課題発見・解決学習も見受けられる。そのような学習では,生徒は既有知識や各学習で理解した内容を自ら関連付けて課題を発見したり,試行錯誤しながら課題を解決したりすることは難しく,資質・能力の育成にはつながらないと考えられる。その状況を踏まえ,題材を通して生徒に「学びの意義」を意識させることで,生徒自らが課題を発見し,試行錯誤しながら課題を解決していく授業実践を行い,その有効性を検証し,技術科教育における資質・能力の育成を目指した中学生,高校生の学習指導の在り方について明らかにすることは意義があると考える。 今年度は,開発したカリキュラム(授業モデル・教材開発)を,パイロット校の教員等の協力を得て授業実践・評価・改善を行うことができた。また,昨年度,中学校学習指導要領の実施状況把握のため,予備調査として京都府北部地域で技術科担当教員を対象に学習指導の実態について調査を実施した。引き続き,京都府下で同様の調査を実施した。さらに,課題解決能力の育成カリキュラムを開発するための題材開発,授業実践を行い,開発研究に関しては,合同研究会において主体的・対話的な学習活動を取り入れた授業モデルを理論研究チームと研究実践チームで共有し,授業構成のあり方の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度はほぼ当初の予定どおり,実践研究,開発したカリキュラム(授業モデル・教材開発)を,パイロット校の教員等の協力を得て授業実践・評価・改善することができた。また,京都府下の技術科担当教員を対象に学習指導の実施を把握するための調査を実施した。 その結果,技術科教員が授業で指導をする際,困難を感じる理由として,「Cエネルギー変換の技術」の内容で「思考力を評価するための教材」「実体験を伴う実習教材の選定」「学習意欲を持たせる指導方法」という「見方・考え方」及び「資質・能力」に関連する記述がみられたことから,課題解決的な授業については「Cエネルギー変換の技術」についての実践を考えた。 そして,使用する教材は,次の3点を検証した。①動力伝達の機構の学習の導入としてギヤボックスカーを製作することで,体験的な学習を通して,「課題を解決する手順」「創造・工夫する力」等の定着への効果。②生徒の問題解決の到達度を向上させるための教材としての効果。③製作したものをもとに,実社会で利用するための課題や工夫点を考えることへの効果。基本的な指導の流れとして,①与えられたパーツを組み立て,低中高速のいずれかで前進する(第1目標)。②他のグループとの比較で,低中高速の特徴を読み取る(第2目標)。③実社会で利用する場合の,工夫点を考える。 以上のように,最終的には実社会での利用へとつなげることができるかを検証した。 さらに,学校教員及び教員養成課程の学生を対象とするワークショップは,今年度も新型コロナウィルス感染予防のため,講演会のみ開催した。講演会は「若者の姿を背景とした技術科教育の学びの場の創造- 課題解決型の授業を通して-」という演題で感染予防など工夫して行った。参加者は大学院生,学部生,大学教員,京都府・京都市の中学校教員,附属中学校教員,京都教育大学産業技術科学科を目指している高校生の参加もあった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5(2023)年度は評価研究として,パイロット校での授業実践を評価・改善した授業モデルを,公立学校の教員等の協力を得て授業実践,試行結果から研究者・学校教員で教材,カリキュラムを評価し,さらに改善する予定である。 課題解決的なカリキュラムについては,「Cエネルギー変換の技術」についての実践,及び①ブリッジコンテスト,②タービンコンテスト等を行う予定である。 また,パフォーマンス評価に関するパフォーマンス課題やルーブリック及びワークシートの検討,事前・事後のアンケートの分析を行い,授業改善をし,研究のまとめを行っていく予定である。
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