研究課題/領域番号 |
20K03275
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 鳥取大学 (2023) 九州工業大学 (2022) 神戸大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
進藤 明彦 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 准教授 (30790745)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 研究倫理 / 中等教育 / 課題研究 / 探究 / 総合的な探究の時間 / スーパーサイエンスハイスクール / SSH / 探究学習 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の中等教育における研究倫理の基準は示されておらず,国際的な基準との整合性についても十分に検討されていない。また,教育現場における指導の実態等についても十分に把握されていないのが実情である。 そこで,本研究では,積極的に課題研究に取り組むスーパーサイエンスハイスクールを主な調査対象とし,研究倫理教育を含めた課題研究指導の実態を,インタビュー調査および郵送によるアンケート調査を通して明らかにするとともに,先進的な取り組み事例を収集し,指導資料の提供を通して研究倫理教育の推進に取り組む。 調査結果は,各種団体と共有し,日本の中等教育における研究倫理教育の方向性を策定する。
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研究実績の概要 |
○ 令和5年度は以下の3項目について調査・研究に取り組んだ。(転職,転職に伴う住居の引越し,病気の治療等により,十分な調査・研究が行えず期間延長申請を行なった。) 1.「課題研究を指導する担当者に対する研究倫理研修等の実施」が新たに確認できたのは2校であった。 事例1:日本学術振興会「研究倫理eラーニング」を受講した総合的探究統括者が,授業担当者に説明を行い,説明を受けた授業担当者が生徒に対して研究倫理の説明を行なった。 事例2:年間38回の職員研修中の科学倫理関連の研修14回に,関係職員が参加した。 2.「課題研究の研究倫理ガイドラインや倫理審査委員会の設置等」が新たに確認できたのは1校であった。 事例:R5年度に,学内の生徒が授業で取り組む課題研究や科学部等の研究活動に関する倫理問題の有無や,その解決のための組織,運営について,学校独自の倫理委員会運営要領を制定し,必要に応じて審査を行なっている。また,他校の参考のため要領を公開している。 3.科学倫理をSSHの研究課題に掲げる兵庫県立姫路東高等学校の研究開発4年目時点での,研究倫理探究に関する教育システム及び生徒発表会の調査を行なった。 ・同校のWEBサイトに「令和5年度高等学校における科学倫理教育のロールモデル -その目的と方法-」として,これまでの開発経緯と現時点での教育システムに関する実践の詳細が記されている(授業科目としては,2年理系:学校設定科目「理数探究・科学倫理」2単位,2年文系「総合的な探究の時間」,学校設定科目「生物探究」各1単位を実施)。 ・一般公開型の課題研究発表会が行われ,その中で科学倫理をテーマとする2年理系の口頭発表4本・ポスター発表16本,2年文系の口頭発表5本・ポスター発表14本が行われ,発表を通して,生徒間の交流,教員間の情報交換,専門家からの助言,科学倫理教育に対する理解増進が図られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度において,転職及び業務の引き継ぎ,新しい職場環境における研究環境の整備,転職に伴う住居の引越し,病気の発覚と治療等が重なり,十分な調査・研究が行えず,期間延長申請を行った。 また,新型コロナウイルスの感染が5類移行以前の研究期間において,高等学校等の訪問によるインタビュー調査は,受け入れ側の高校の問題も大きく,事例の収集や高等学校における研究倫理教育に対する考え方の予備調査も遅れ,本格的な調査へ影響を及ぼした。
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今後の研究の推進方策 |
高等学校訪問によるインタビュー調査は,対象となる高校を精査し,必要最低限に厳選する。また,必要に応じて,オンラインによる調査を行い補足する。 アンケート調査に関しては,紙媒体は依頼時のみとし,Googleフォーム等のオンラインによるアンケートに切り替えることにより,回収の時間や入力の省力化をはかる。 当初は予測できなかった,急激な生成AIの普及は,課題研究に取り組む高校生の研究倫理を考える上では重要な内容であり,調査項目に追加し,時代に即した調査を行う。 研究成果の普及に関する公開シンポジウム等については,Zoom等のオンライン実施が普及してきた現状を踏まえ,対面実施ではなく,オンライン実施に切り替えることで遠方からの参加を可能にし,より広く普及を図りたい。
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