研究課題/領域番号 |
20K03287
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
|
研究機関 | 米子工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中島 美智子 米子工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20390487)
|
研究分担者 |
箕田 充志 松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (00311069)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 技術者倫理 / SDGs / 環境文学 / エコクリティシズム |
研究開始時の研究の概要 |
将来の研究者あるいは技術者を養成する理工系高等教育機関において、2030年達成目標のSDGsを浸透させ地球環境にも配慮できる人間性と高い倫理観を育成する教育プログラムは必須である。 そこで本研究では、理工系学生の「技術者倫理」教育に必要な視座(知識)と感性(興味・関心)を環境文学の側面から醸成すると共に、テキスト中心の閉鎖的土壌を脱却し、その視座と心にActive Learningとして実体験(原子力発電所視察や環境保護活動等のフィールドワーク)を重ねることで、環境意識や倫理観を高める環境教育プログラム・教材の開発を目的とする。
|
研究実績の概要 |
令和3年度までは、講義やワークショップを通じて、環境文学の側面から学生たちに「技術者倫理」に関する視座と感性を醸成すると共に、島根原子力発電所視察や意見交換会などの一部フィールドワークを実施することで、Active Learningを体験させた。 本年度は、さらにフィールドワークの一環として幌延深地層研究センターに学生らと赴き、地層処分技術の仕組みやその安全性について視察した。この視察により、そもそもなぜ地層処分が採用されたか、また人間の寿命を超える長期間に亘り、その生活環境に影響が及ばないよう隔離する多重バリアシステムのプロセスや信頼性に関して多くの知見を得ることができた。本視察後、本学内外で調査報告会を実施し、情報の共有化や今後の地層処分のあり方についての討論を行った。 また、京都大学の幸浩子氏を招聘し、本研究課題に関する出前授業「放射線とは何か」を実施し、放射線に関する多くの基礎知識と人体に与えるその影響など、具体的な知見を基に深く知ることに繋がった。併行して、(株)ユニバーサルエネルギー研究所 代表取締役 金田武司氏を招聘し、研究課題に関する講演会「世界の動向から日本のエネルギー問題を考える」を実施した。昨今の新型コロナウィルス感染症のまん延は、日本国内をはじめ世界中にさまざまな影響を与えており、コロナ禍による反グローバル化への動きが加速され、エネルギー需給問題や、経済安全保障を取り巻く情勢は刻々と変化している。この反グローバリズムは、グローバル化が本来持っている強者と弱者との格差拡大や環境破壊に対するアンチテーゼであり、コロナショックを経て見えてきた技術者に係わる新たな課題や、今後のエネルギー開発に対する考え方に関して、学生共々深く考えさせられる契機となった。これらの講演に啓発され「エネルギー問題への文学的アプローチ」などの学会発表を実施することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルスの感染防止対策などの影響から、とりわけ夏期休業期間に予定していた国外調査研究を目的とする出張ができなくなったため。
|
今後の研究の推進方策 |
コロナウィルス感染状況を勘案しつつ、2022年度に遂行できなかった海外の環境教育先進校への視察・情報収集、および国内での学会発表と講演会実施に向けた準備や資料収集を引き続き行う予定である。また最終年度として、本研究課題を通じて実施された環境教育プログラム・教材の資料まとめと、各校への普遍化に対するアプローチを実施する予定である。
|