研究課題/領域番号 |
20K03292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
尾崎 典子 香川大学, 医学部, 助教 (30851977)
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研究分担者 |
谷本 公重 香川大学, 医学部, 教授 (10314923)
鈴木 麻友 香川大学, 医学部, 助教 (10786528)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 不登校経験者 / 環境 / 経験 / 自信 / 移行期 / 進路支援 / リソース / 不登校 / インタビュー / 養護教諭 / 時代背景 |
研究開始時の研究の概要 |
増加する不登校児童生徒の支援として文部科学省から不登校対策の指針が何度か出される一方、学校現場では学校基本調査では現れてこない教室に行けない不登校傾向の子どもたちの増加に苦慮している。情報化社会が進み、子どもを取り巻く社会は変化している。現代の不登校問題を解決するにはどのような手立てが必要なのだろうか。 本研究では、不登校を経験した元児童生徒を対象にインタビュー調査を行い、「不登校」当事者の視点から、現代までの経過を振り返る。1980年代からの時代背景や政策も含めた「不登校」の状況を分析し、ケースごとに異なる状況をより明らかにし、今後の「不登校」「不登校予備軍」への対策と支援方法を導き出す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,不登校の状況や支援方法について当事者の立場から検証し,社会参加に結びつく効果的アプローチを導き出すことである. 本研究では過去に不登校を経験した元児童生徒に半構造化面接によるインタビューを行い,当事者の視点から幼児期から現在までの記憶に残るエピソードやその時の気持ち,受けてきた支援に対して抱いた気持ちを尋ねた.併せて,1980年代からの時代背景や政策と支援方法の活用状況を確認した. インタビュー結果を,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.分析の結果,不登校を経験した児童生徒は《家庭環境の変化を消化できない》《学校生活に対するネガティブな気持ち》という【折り合いの付かない環境】で不登校になった.不登校時は,家庭訪問,保健室登校,別室登校などの支援を受けたが,【その支援が自分に合う】場合と【その支援が自分に合わない】場合があった.中学校卒業後は【自ら求める環境に向かって行動する】ことで,進学先や職場において【新しい環境で折り合いを付けて充実感を味わう】経験ができていた.一方,【新しい環境に折り合いが付かず自信をなくした】経験をしていた者もいた.現在は精神的,経済的,社会的な【支えとなる環境(リソース)がある】状態であったが,その内容により【将来への希望】の【実現する自信】が異なっていた. これまでの研究結果より,不登校経験者の社会参加を左右していた重要な要因に進路選択があった.そこで,さらに中学校から高校,高校から大学や就職への移行期に着目し、不登校経験者を次のステップへと送り出す中学・高校の進路指導担当者に質問紙調査を行い,不登校生徒への進路支援の現状を明らかにした.その結果,学校間や学校と社会の移行期において本人や保護者に届くサポートをつなぐことに課題があることが確認できた.
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