研究課題/領域番号 |
20K03293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
植村 善太郎 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20340367)
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研究分担者 |
西口 利文 大阪産業大学, 全学教育機構, 教授 (70343655)
伊藤 崇達 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (70321148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 集団討議 / ストレス / ソーシャル・スキル / 不安 / 会議 / 集団浅慮 |
研究開始時の研究の概要 |
集団討議において,答えを急かされたり,その結果が重大な影響を持つものであったり,課題が困難であったりといった高いストレスが存在すると,人々はかえって浅はかな結論を導いてしまうことがある。この研究では,そうした高いストレスによって討議過程にどのような影響が生じるのか,またどのような介入方法がストレスを緩和し,集団討議を促進するのかを明らかにすることを目的としている。1)ストレスの分類,2)各ストレスが集団討議に及ぼす影響,3)集団討議を促進する効果的な介入方法を順次検討する。最後に,4)高ストレス状況下における集団討議過程についての仮説モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
本年度は、話し合いの経験が、話し合い活動に対する態度に及ぼす効果を検討した。具体的には、大学生になるまでの学校段階における授業等で、どの程度の話し合い活動を経験したかを尋ねた。そして、大学生である今現在の話し合い活動に対する態度を測定した。大学生154名を対象とした調査を実施した結果、次のような結果が得られた。1)現在の大学生は、多くの人が1週間当たり1回以上のグループでの話し合い活動を高校までの授業で経験していた。また、2)週1回以上の 経験をした群(124名)とそれ以下の頻度での経験をした群(30名)とを比べると、高頻度で経験した群の方が、集団討議への好意感情が高く、人間関係の維持 への不安が高くなる傾向が明らかになった。これらの結果から、集団討議を促進する条件の検討を進めた(Uemura,2023)。 また、いくつかの個人差変数と話し合い活動における意識との関連を調べた。セルフマネジメントの行動意図(西口他, 2018)の 4 つの下位尺度(「開発」「予防」「回復」「協力関係」の各マネジメント)からなる 19 項目を使用した調査では、自ら積極的に課題に関わるような行動意図である「開発」と話し合いにおける合理的な行動とが関連することがわかった。他者の良好な人間関係に配慮するといった行動意図である「協力関係」とストレスからの回復する自信と関わる「予防」とは、話し合い活動における調和的な行動と関連することがわかった。他には、ソーシャル・スキルが話し合い活動の態度に及ぼす効果についても検討を行ない、ソーシャル・スキルは、話し合い活動に対する不安感情とは明確な関連性を示さないという結果を得た。こうした研究成果の発表準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症蔓延の影響から、大学における授業負担が増大したこと、そして、学内運営に関わる業務負担の増大があり、資料収集や実験の実施が難しくなったことから想定したように研究を進めることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在の状況下で研究を進行できるように、集団討議に関わる意識について、大学生を対象とした調査を実施し、討議のやりにくさを生起させる要因について探索する事を考えている。また、zoom等のアプリケーションを用いた、遠隔での集団討議状況についての調査を行うことを検討している。
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