研究課題/領域番号 |
20K03295
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有倉 巳幸 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (90281550)
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研究分担者 |
神山 貴弥 同志社大学, 心理学部, 教授 (00263658)
稲垣 勉 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (30584586)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 学級内地位認知 / いじめ傍観行動 / 多元的無知 / 評価懸念 / 集団への同調 / コミュニケーション能力 / 影響力 / 一般的信頼感 / フォールスコンセンサス現象 / いじめ傍観者 / 学級集団 / 階層性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,学校現場の喫緊の課題であるいじめ防止のための学術的知見を得るため,いじめを傍観するメカニズムとしての多元的無知(pluralistic ignorance)に着目し,学級内地位認知(自身及び自集団の影響力認知など)及びいじめ傍観者行動(いじめ傍観者意識,他の生徒のいじめ傍観者意識の推定など)の測定を通して,いじめを誘発する傍観者行動が学級集団の階層性によって規定されるかどうかを明らかにする。学級集団の階層性については,マルチレベル分析を用いて,集団レベル(学級集団の階層構造)と個人レベル(学級内地位認知)のそれぞれの効果を明らかにし、いじめ防止に繋がる示唆と対策を提言することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、いじめ防止のための学術的知見を得るため、いじめを傍観するメカニズムとしての多元的無知に着目し、学級内地位認知及びいじめ傍観行動の測定を通して、いじめを誘発する傍観者行動が学級集団の階層性によって規定されるかどうかを明らかにする。 第1研究では中学生を対象に学級内地位認知を測定する方法の妥当性、信頼性の検討を行った。学級内地位認知は学級単位でデータを収集するため、集団レベルの分析を行うことが可能であり、この方法をSICS-P(Selected In-class Status Perception)法と名付けた。その結果、SICS-P法が学級内地位認知を測定する方法として妥当であることが確認された。また、各学級の選択比を算出した上でクラスター化を試みた。クラスターとしては、地位上位群が少ない学級、中位層が少ない学級、下位層が少ない学級に分けることが妥当と判断した。 第2研究では、いじめの仮想場面を設定した上で、自身のいじめ抑止(傍観)態度に加えて、周囲の他者のいじめ抑止(傍観)態度の予測、集団規範への同調、自身の行動に対する評価懸念を測定し、多元的無知が起こっているか、また、多元的無知が評価懸念を介していじめの傍観行動を促進するかについて検討を行った。その結果、抑止(傍観)態度において、多元的無知はいじめ傍観行動への同調を促進することが明らかになった。また、媒介分析の結果、いじめ抑止態度及び傍観態度において一部、評価懸念の間接効果が確認できた。今後、第1研究と同様に、学級のクラスター化を行い、クラスターごとに評価懸念の間接効果が見られるかどうかを確認していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大のため、1年遅れて研究が進んでいる。現在、第2研究の分析が終了し、今年度中の学会発表を行う予定である。1年延長申請を行い、最終年度は当初の予定である第3研究を実施し、研究成果をまとめることにしている。
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今後の研究の推進方策 |
1年延長申請を受理されたので、最終年度は、当初の予定である第3研究を実施することとしている。また、第1研究の論文化とともに、第2研究については今年度中の学会発表を予定している。第3研究については、パネル調査を予定しており、5~6月中に最初の調査、11~12月に2度目の調査をそれぞれ実施する。
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